「WF-SP700N」と「WF-1000X」どっちを選ぶべき?
4月28日、SONYはIPX4防水規格に対応する完全ワイヤレスイヤホン、「WF-SP700N」の販売を開始しました。SONY初めての完全ワイヤレスイヤホンとして話題となった「WF-1000X」の第2弾ということもあり、注目されている人も多いのではないでしょうか。
しかし、つい先日第1弾の「WF-1000X」に関する酷評記事を書いたばかり。
特に音切れ問題は深刻でした。個体差という言葉では片付けられないレベルで、「プツプツ」と音切れが頻発。接続の安定性は使い勝手に直結してくる部分なので、非常に残念な点でした。ひどい遅延も同じです。上の記事で「WF-1000Xは動画視聴に向かない」とまで書きました。
さて、ここからが本題。新しく発売された「WF-SP700N」は、はたして音切れ・遅延問題は解消されているのでしょうか。もしくは改善されていない?両機種を比較しながら、「WF-SP700N」の使い方の紹介や使ってみた感想・レビューを紹介していきます。
ソニー SONY 完全ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000X : Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き 2017年モデル シャンパンゴールド WF-1000X N
WF-SP700NをiPhoneXに接続しての感想・レビューになります。使用環境によってはここに記載した内容と異なる場合がありますので、予めご了承ください。
深刻な音切れと遅延は改善されたのか
WF-SP700Nのスペックや特徴は後述するとして、まず気になるのは深刻な音切れと遅延問題。
ノイズキャンセリングうんぬんの前に、音切れや遅延がひどくては、そもそもイヤホンとしてどうなの?というところ。それでは見ていきましょう。
よかった!音切れは改善されてるっぽい
WF-SP700Nをまる1日使い倒してみましたが、どうやら音切れは改善されているようです。というのはWF-1000Xのときは装着して5分ほど聴いただけで音切れが10回近く発生していたんですよね。もちろん同じ環境で使用しています。
WF-1000Xは使用中の電子レンジのそばでは使い物になりませんでしたが、WF-SP700Nは同環境で切断されることはありませんでした。人の多い駅構内やショッピングモールなど多くの場所で試したわけではありませんが、明らかに改善されているように思います。
もちろん完全ワイヤレスイヤホンという特性上、多くの人が行き交う人混みの中などではある程度の音切れは仕方がありません。しかしWF-1000Xはさすがにひどすぎました。その点WF-SP700Nは心配ないでしょう。
遅延はほぼ変わらず発生している
残念ながら遅延に関しては改善が見られませんでした。例えばYouTubeアプリで視聴したときは特にひどい。見るに耐えられないレベルでした。
他にもAmazonプラム・ビデオやNetflix、dTVアプリで試しましたが、どれも同じ感じですね。WF-1000X同様、動画視聴には向かないな、というのが正直な感想です。
なぜかiPhoneのSafariのブラウザ上で再生した動画に関しては、遅延が少しマシになります。それでも違和感を感じるレベルで遅延しているのですが、WF-SP700Nで動画を見たい場合はアプリからではなくブラウザ上で再生すればまだ見れるレベルになるかな、と思います。
僕の手元にある完全ワイヤレスイヤホンは4つ。
- WF-SP700N
- WF-1000X
- AirPods
- Zolo Liberty+
その4つとは「AirPods」「Anker Zolo Liberty+」「WF-1000X」「WF-SP700N」なのですが、これを遅延が少ない順に並べるとこうなります。
遅延の少ない順に並べると・・・
「AirPods」≦「Anker Zolo Liberty+」<「WF-1000X」≦「WF-SP700N」
Appleの「AirPods」なんかはさすがですね。遅延はもちろん音切れもほぼありません。「Anker Zolo Liberty+」も素晴らしい。AirPodsと同等と言っていいでしょう。
音の遅延は音楽を聴いているときにはまったく気になりませんが、動画視聴のときはどうしても気になってしまいます。もし動画視聴やゲームがメインなら、はっきり言ってWF-1000XとWF-SP700Nはおすすめできません。
WF-SP700NとWF-1000Xのスペックを比較してみる
SONYの完全ワイヤレスイヤホンである、WF-SP700NとWF-1000Xのスペックを比較してみました。通称「そら豆」と「カナブン」。
- WF-SP700N
- WF-1000X
[table id=149 column_widths=”34%|33%|33%” /]
そもそもですが、WF-SP700Nは「スポーツ用途でも使える」という点をセールスポイントとしています。汗や小雨から守るには十分なIPX4防水規格に対応し、選べるカラーを見てもスポーツシーンでの使用を意識していることが分かります。
後ほど紹介したいと思いますが、迫力の重低音を実現する「EXTRA BASS sound」。これがあるかないかでは重低音の印象がまるで違います。これも大きな違いと言えそうです。
対応コーデックとしてはSBCとAACのみ。AACは主にiPhoneといったApple製品が対応しているコーデックです。SBCより音質が良く遅延が少ないことが特徴。そういう意味ではiPhoneと相性がいい完全ワイヤレスイヤホンですね。
WF-SP700Nを使ってみた!感想・レビュー
それではここからはWF-SP700Nを実際に使ってみた感想・レビューを紹介していきます。
まだ使用し始めて1日ですが、結構気に入っています。EXTRA BASSの重低音や快適な装着感。WF-1000Xがイマイチだっただけにハードルが下がってしまっているかもしれませんが。
WF-SP700Nを使ってみた!
EXTRA BASS soundがいい!納得の音質
この「EXTRA BASS sound」、なかなかいいですね!フラットな印象を受けたWF-1000Xにはない、迫力の重低音がWF-SP700Nでは楽しめます。
重低音が響く「EXTRA BASS sound」がすごい!
これもスポーツシーンでの使用を想定してのことでしょう。重低音のビートはワークアウトと相性もいいですから。これは重低音好きにはたまらないでしょう。
この迫力ある重低音は、持っているどの完全ワイヤレスイヤホンより頭ひとつ突き抜けていますね。
イコライザーは専用アプリ「Headphones」から調整可能。
- イコライザーは「Bright/Excited/Mellow/Relaxed/Vocal/Treble Boost/Bass Boost/Speech」の8種類
「Vocal」「Bass Boost」など、プリセットの8種類のイコライザーから選べます。さらに低音を強調してくれるBass Boostを選択すると、目の前に巨大スピーカーがあるかのうようなパンチのある低音を聴かせてくれます。
そして秀逸なのは、重低音を響かせながらも、ヴォーカルの中音域がしっかりクリアに聴き取れるところ。いわゆるドンシャリではなく、重低音と中音域のクリアさを両立できているのはさすがですね。
この迫力ある重低音とクリアさは、他の完全ワイヤレスイヤホンを圧倒しています。これまで使用したどの完全ワイヤレスイヤホンよりも明らかに上位。間違いなくWF-SP700Nの一番の魅力となっている部分でしょう。
ノイズキャンセリングとアンビエントサウンド
まず左右に独立している完全ワイヤレスイヤホンで、高度な機能であるノイズキャンセリングを使える。これだけですごいんです。ここは素直にSONYさんに感謝しなくてはいけません。
WF-1000X同様ノイズキャンセリングの効きは弱めではあるものの、十分効果を感じられるレベル。ノイズキャンセリングをオンにすると、冷蔵庫やエアコンの駆動音がすっと消えていきます。電車内や人通りの多い場所など、屋外でも活躍してくれるはずです。
また専用アプリ「Headphones」から外音コントロールを設定すれば、利用シーンに応じて最適なモードを選択できます。
- 外音コントロールは3つのモードから選べる
「外音取り込み」というのは、SONYのイヤホン/ヘッドホンではお馴染みの「アンビエントサウンド」のこと。イヤホンに搭載されたマイクで外音をひろい、イヤホンを装着したままで周囲の音を聞くことができる機能です。電車内のアナウンスに注意しておきたいとき、呼び出しなどに反応したいときに便利です。他にもワークアウト目的で使用する場合でも重宝する機能ですね。
WF-SP700NとWH-1000Xを比較したときに、ノイズキャンセリングとアンビエントサウンドの性能はほぼ変わらない印象です。気持ちWF-SP700Nのアンビエントサウンドがより自然に周囲の音を聞けるような気がします。
WF-SP700Nの装着性は抜群!着地ノイズは少なめ
スポーツモデルとうこともあり、装着性に関しては文句なし。装着したままジョギングしてみましたが、落ちる気配はありません。耳の内部(段差みたいな部分)に押し込む「アークサポーター」がこれに寄与しているのかと思います。ちょっとやそっとでは外れない安心感は、数ある完全ワイヤレスイヤホンではトップクラスでしょう。
素晴らしい装着性!落下の心配は無用
SS/S/M/LサイズのイヤーピースとM/Lサイズのアークサポーター
また意外なところで良かったのは、着地ノイズが明らかに軽減されている点です。足を地面に着地させたときに聞こえる不快なノイズが気になる人は多いでしょう。ひどいイヤホンは本当にひどいので。
不満な点いくつか
重低音が効いた音質、抜群の装着性など、ノイズキャンセリング機能含め完全ワイヤレスイヤホンとしては非常に完成度は高いと感じます。なにより致命的だった音切れが改善されている点は、個人的にも嬉しいですね。
ただいくつかの不満点もあります。
例えば連続再生時間。WF-SP700Nはイヤホン単体で最大3時間、充電ケースでは最大2回のフル充電が可能です。最大9時間の再生が可能という計算になります。実働で言うとイヤホン単体で2時間ちょっとといったところ。やっぱりちょっと物足りない。AirPodsで最大24時間の再生、AnkerのZolo Liberty+で最大48時間の再生(ケース込み)ですから、それらと比べると見劣りすることは確かです。
とは言え最大9時間の再生が可能なので、日常使いにおいて致命的に不便ということはありません。しかしもうちょっと伸ばしてほしかったというのが正直なところです。
イヤホンとケース込みで約60.2gという軽さは非常に魅力的なんですが、個人的には多少ケースを重くしてでも再生時間を伸ばしてほしかった。ただスポーツモデルということを考えると許容すべきところかもしれませんね。
あと、どうしても音の遅延が気になります。
先ほども書きましたが、やっぱり音の遅延が気になります。動画をまともに見れないのはちょっとキツイ。音楽を聴くだけならまったく問題ありませんが、動画視聴も考えているのならちょっとおすすめ しにくいですね。
最後の不満点。それはapt-Xに対応していないこと。
僕自身はiPhoneユーザーなので気になりませんが、Androidユーザーであれば購入を躊躇してしまう理由になるところだと思います。だってapt-Xに対応したBluetoothイヤホンはたくさんありますから。
apt-Xに未対応なのは残念
もちろんSBCでも極端に音質が落ちるわけではないので、Androidユーザーにもぜひ選んでほしいイヤホンなのですが、apt-Xに対応していればそれに越したことはありません。ここは今後に期待でしょう。
スポーツシーンだけでなく、普段使いにも使ってほしい完全ワイヤレスイヤホン
スポーツシーンはもちろん、普段使いでも活躍してくれる
いくつか不満点はあるものの、EXTRA Bass soudによる重低音と快適な装着性、スポーツシーンに対応できる防滴性能など、WF-SP700Nは完全ワイヤレスイヤホンとして十分魅力を感じられる製品です。
スポーツシーンだけでなく、ぜひ普段使いでも使ってほしいですね。スポーツシーンだけに収めるのはもったいない。
「WF-SP700NとWF-1000Xどっちがおすすめ?」
と聞かれると、間違いなくWF-SP700Nをおすすめします。まず音切れがない。使う人の好みにもよりますが、だいたいの場合フラットな音質よりも重低音寄りのほうが受け入れやすいですしね。
WF-1000Xのレビュー記事ではずいぶんと酷評しましたが、WF-SP700Nに関しては「買い」でしょう。音の遅延は許容する必要がありますが、「音楽を聴く」という目的においては非常に優秀です。
またしばらく使い続けてみて、追記すべき点があればここに書きたいと思います。
▼ この記事に登場した製品
ソニー SONY 完全ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000X : Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き 2017年モデル シャンパンゴールド WF-1000X N
下記の記事でおすすめ完全ワイヤレスイヤホンを比較・紹介しています。ぜひ参考にしてください!
コメント
コメント一覧 (2件)
>間違いなくWF-SP7000Nをおすすめ
途中で型番変わっちゃってるじゃないですかwww
すみません!恥ずかしながら気づきませんでした。。。ただいま修正しました!