コードの煩わしさから完全に開放される完全ワイヤレスイヤホン。AppleのAirPodsをはじめ、高音質な完全ワイヤレスイヤホンが各メーカーから出てきています。
僕自身も数多くの完全ワイヤレスイヤホンを所有し、毎日のように愛用しています。コードがなくとにかくラクであることに加えて、有線イヤホンに負けず劣らない音質ですから、使わない理由はありません。
そこで今回は、これまで多くの完全ワイヤレスイヤホンを使用してきた僕が、その中からこれぞおすすめしたいという完全ワイヤレスイヤホン5製品を紹介します。
完全ワイヤレスイヤホン5製品を自腹レビュー
ここで紹介している完全ワイヤレスイヤホンは、すべて実際に使い込んでものばかり。自腹レビューということで、デメリットも含め使ってみた感想を書いていきたいと思います。
完全ワイヤレスイヤホンのメリットとデメリット
完全ワイヤレスイヤホンとは、左右のイヤホンが完全に独立したワイヤレスイヤホンのことです。
「トゥルーワイヤレス」「左右分離型」「左右独立型」とも呼ばれますが、すべて同じです。
コードの煩わしさから完全に開放される
完全ワイヤレスイヤホンのメリットは、その文字どおり「完全にワイヤレス」というところでしょう。
ワイヤレスなのでコードが絡まることもないですし、服にひっかかってイヤホンが引っ張られることもありません。コードによるガサガサという「タッチノイズ」もありません。
完全にワイヤレスであることの開放感は、一度使えばもう有線イヤホンに戻れないほど。とにかく使用していて「ラク」という一言に尽きます。
- コードの煩わしさから完全に開放される
- 非常に「ラク」な使用感
完全ワイヤレスイヤホンは充電が必要になる
一方で完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとして挙げられるのは、「充電が必要になる」ということ。有線イヤホンであれば充電の心配は皆無ですが、完全ワイヤレスイヤホンは充電が切れてしまえば使用することはできません。
またワイヤレスという特性上、人混みの中では「ノイズや瞬間的な切断」が発生することがあります。これは製品によって「ノイズが発生しやすい・発生しにくい」があります。
さらにイヤホンを装着したまま動画視聴やゲームをプレイする場合に重要なのが、「音の遅延」。ワイヤレスイヤホンなのでこれも少なからずあります。ただし、音の遅延の有無は製品によるところが非常に大きいので、これについては後ほど紹介する製品ごとのレビューをチェックしてみてください。
- 充電が必要になる
- 人混みではノイズや瞬間的な切断が発生することがある(製品によるところが大きい)
- 音の遅延が少なからずある(製品によるところが大きい)
購入前に使用環境をしっかりイメージしておこう
ここが非常に重要です。完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際には、しっかり「使用環境を想定」するようにしましょう。毎日の通勤に使いたい?それとも運動時に?使用環境を想定しておくのは、以下の機能・性能が必要かどうかに関わってくるからです。
- バッテリーの駆動時間(連続再生時間・充電ケース)
- 密閉性(インナーイヤー型・カナル型など)
- 防滴・防水性能
- アクティブノイズキャンセリングの有無
例えば長時間の通勤時に使用したなら、可能な連続再生時間をチェックしておかなくてはいけません。そして歩きながらの使用は、密閉性の高いカナル型のイヤホンだと周囲の音が聞こえず非常に危険。しっかり周囲の音にも反応したい場合は、開放型のイヤホンがいいでしょう。運動時に使用したいなら、防滴・防水機能もチェックしておく必要があります。
このあとおすすめの完全ワイヤレスイヤホンを紹介していきますが、自分の使用環境に照らし合わせ、必要な機能をチェックしてみてください。
最強で鉄板の5大完全ワイヤレスイヤホンを徹底比較
ここで紹介する完全ワイヤレスイヤホンは、以下の5つのモデルです。
- 【Apple】AirPods
- 【SONY】 WF-1000X
- 【SONY】 WF-SP700N
- 【BOSE】SoundSport Free wireless headphones
- 【Anker】Zolo Liberty+
これらは、現時点において「5大完全ワイヤレスイヤホン」と言っていい製品でしょう。SONYから2機種挙げていますが、音のテイストが異なりますし、そもそも製品コンセプトが異なることから、あえて挙げさせていただいています。
個別レビューに入る前に、まずは各イヤホンのスペック・特徴を見てみましょう。
AirPods | WF-1000X | WF-SP700N | SoundSport Free wireless headphones | Zolo Liberty+ | |
---|---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | SONY | SONY | BOSE | Anker |
イヤホンタイプ | 開放型 | カナル型 | カナル型 | カナル型 | カナル型 |
連続再生/ケース込 | 5h/24h | 3h/9h | 3h/9h | 5h/10h | 3.5h/48h |
ノイズキャンセリング | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
防水・防滴 | ✕ | ✕ | IPX4 | IPX4 | IPX5 |
Bluetooth | Bluetooth4.2 | Bluetooth4.1 | Bluetooth4.1 | Bluetooth4.1 | Bluetooth.50 |
対応コーデック | SBC/AAC | SBC/AAC | SBC/AAC | SBC/AAC | SBC/AAC |
重量(本体/ケース) | 4g × 2/38g | 6.8g × 2/70g | 7.6g × 2/45g | 9g × 2/82g | 6g × 2/105g |
カラー | ホワイト | ブラック/シャンパンゴールド | ブラック/ホワイト/イエロー/ピンク | ブラック/ブルー/オレンジ | ホワイト/ブラック |
使用感や使い勝手など、上のスペックには出てこない部分も多くあります。これらの完全ワイヤレスイヤホンを実際に使い込んでみた僕が、比較含め個別レビューを書いていきますので、ぜひ購入の際の参考にしていただければと思います。
1.【Apple】AirPods
まず最初は知らない人はないであろう、Appleの完全ワイヤレスイヤホンである「AirPods」。特徴はiPhone・iPadといったApple製品との親和性の高さでしょう。同じApple製品ということもあり、iPhoneで使うAirPodsの使い勝手はひとつ突き抜けています。
iPhoneで使うAirPodsの使い勝手の良さはダントツ
iPhoneユーザーならぜひAirPodsを検討したい
iPhoneに近づけて「接続」をタップするだけで接続が完了するかんたんなセットアップ。一度接続すれば、AirPodsをケースから取り出すだけで自動的に接続されます。AirPodsを耳から外せば再生中の音楽・動画は自動的に一時停止。
他にもAirPodsを耳に装着した状態で、AirPods本体を指でダブルタップすれば「再生/一時停止」「曲送り/戻し」「Siriの呼び出し」いずれかの機能を使えます。とにかく使い勝手に関してはダントツ。素晴らしいですね。
音質は有線イヤホン「EarPods」と同等、遅延もなし
音質としてはほぼiPhoneに付属されている有線イヤホン「EarPods」と同等で、聴き比べてみてもほぼ違いを感じません。インイヤータイプで密閉性としては低く周囲の音は入ってくるものの、片耳4gというその重量からは想像できない低音がしっかり出ていますし、中広域もしっかり伸びています。
動画を視聴したときに感じる音の遅延もほぼ感じられません。動画をよく見る人にとっては、音の遅延の有無は非常に大事です。
遮音性の低さはデメリットだけではない
個人的にiPhoneユーザーである僕はAirPodsのお世話になることが多いのですが、気に入っている点をさらに2つ紹介します。
ひとつめは「周囲の音に気を配れるほどよい密閉性の低さ」です。悪く言うと周囲の音が入ってきやすいので、聴く楽曲によっては音量を上げる必要が出てくるということですが、僕自身はこの周囲の音が聞こえるということをメリットに捉えています。
インイヤー型で遮音性は低いがそれがメリットとなる
例えば屋外で使用するとき。密閉性の高いイヤホンだと、電車内のアナウンスや人からの呼びかけ、さらには自転車や車が接近する音も遮断してしまい非常に危険。そういうこともありカナル型イヤホンを外出時に使用することに怖さを感じていたのですが、AirPodsはそうではありません。音楽を楽しみながら、しっかり周囲の音に気を配れるということは、使える場面が多くなるということ。通勤時もそうですし、ジョギングやフィットネス時にも気兼ねなく使えるということは、間違いなくAirPodsのメリットでしょう。
内蔵マイクの性能の高さは秀逸
ふたつめは地味なところではありますが、「内蔵マイクの性能の高さ」です。AirPodsにはL側/R側どちらのイヤホンにも内蔵マイクが搭載されています。左右どちらかを片耳に装着している場合でも、AirPodsのセンサーが装着しているイヤホンを時的に判断し有効化してくれます。
そしてすごいのは音声のノイズキャンセリングの性能。Appleによると「音声加速度センサーとビームフォーミングマイクロフォンが連携しながら、周囲のノイズを取り除きあなたの声に狙いを定めます」とのこと。
確かにノイズ除去の性能はすばらしく、話している相手がイヤホンマイクで話していると気付かないレベルです。普段からながら通話が多くイヤホンマイクを常用する人であれば、AirPodsを強くおすすめできます。
AirPodsまとめ
iPhoneとの親和性の高さ、24時間以上のバッテリー持ち(ケース込み)、装着していることを忘れるほどの重量など、あらゆる面で完成度が非常に高い完全ワイヤレスイヤホンだと言えます。
ただいい意味でも悪い意味でも、インイヤータイプで遮音性はさほど高くありません。「周囲の音が入ってきて嫌だ」と感じるか、「周囲の音に気を配れる」と感じるかでAirPodsのおすすめ度は変わってくるでしょう。
ただ間違いなく言えるのは、その使い勝手の良さから、一度使えばもう手放せなくなるということです。
- iPhone(Apple製品)で使う使い勝手の良さはダントツ
- 音の遅延を感じられない
- インイヤータイプで密閉性は低いが、それにより使える場面が多くなる
- 内蔵マイクの性能が秀逸
2.【SONY】WF-1000X
続いてはSONYの「WF-1000X」です。その光沢のあるカラー、かたちから通称「カナブン」。
ノイズキャンセリングが目玉機能
WF-1000Xはなんといっても「アクティブノイズキャンセリング(以下ノイキャン)」が目玉の機能。ノイキャンは周囲の騒音を内蔵マイクで収集し、それを打ち消す音を出し、その騒音を消し去ってしまう機能です。分かりやすく例えると、プラス1の騒音に対してマイナス1の音を出して0にしてしまうわけです。
ノイキャンのメリットは、「小さい音量で音楽を聴ける」ということ。騒音があっても音量を上げてしまえばある程度は気にならなくなりますが、そうすることで台無しになってしまう楽曲やジャンルもあります。なにより大音量で聴き続けることは耳にもよくありません。
肝心なのはWF-1000Xのノイキャン性能はどうか、というところ。完全ワイヤレスイヤホンとして初めてノイキャンを搭載したWF-1000Xの実力はどうなのでしょうか。
ノイキャンはまずまず。実用レベル
僕はノイキャンを搭載したイヤホンを数多く使ってきましたが、WF-1000Xのノイキャン性能はまずまずといったところ。十分実用レベルでしょう。音楽を再生すると周囲の騒音はほぼ気にならないレベルにはノイズを除去してくれます。
SONYが業界最高クラスのノイキャン機能とうたっているものの、ノイキャンを搭載した高級ヘッドホンと比較するとレベルは劣ります。騒音があるなか、無音状態で集中したいという耳栓代わりにする使い方はちょっと厳しいですね。過度な期待は禁物。ないよりはいいかな、というレベルであることはあえて書いておきます。
音切れはファームウェアアップデートで改善
WF-1000Xが発売された当初、プツプツという頻繁な音切れがよく発生していました。これは僕自身も経験しましたが、さまざまな電波が飛び交う人混みの中では使い物にならないレベル。完全ワイヤレスイヤホンの仕組み上、ある程度の音切れは仕方がないものの、「ちょっとひどすぎるな」と。
ひどかった音切れはアップデートで改善されている
ただその後配信されたファームアップデートで音切れは改善され、全く発生しないわけではないものの、普通に使えるレベルにはなりました。WF-1000Xを手に取るのであれば、この点は頭に入れておいたほうがいいでしょう。
音質は文句なし!しかし遅延が気になるならこれを選んではダメ
音質に関しては文句はありません。どの音域も不自然な強調もなく、非常に「優等生」な印象を受けました。悪く言うとインパクトに欠けますが、聴く楽曲のジャンルや好みによっては、この自然な音がいいという人が多いでしょう。
一方で深刻なのは音の遅延。音切れはファームウェアアップデートで改善されましたが、相変わらず音の遅延は発生しているようです。
音楽を聴くという用途ではノイキャン性能含め力を発揮してくれるWF-1000Xですが、動画を再生してみるとまるでダメ。動画内で動く口元と聴こえる音の差異で口パク状態になり、はっきり言って見ていられません。
動画視聴・ゲームといった音の遅延が影響する用途で使用するのには、はっきり向いていません。
バッテリー持ちは悪い
WF-1000Xの可能再生時間はイヤホン本体で約3時間、充電ケースをで約2回分のフル充電が可能です。実働時間でいうとイヤホン本体で2〜2.5時間といったところ。
2時間以上連続してイヤホンを使用することはあまりないとは言え、バッテリーが長く持つことに越したことはありません。AirPodsはイヤホン単体で約5時間、ケース込みで24時間使えるわけですからね。
WF-1000Xまとめ
完全ワイヤレスイヤホンとしてノイキャンを搭載し、自然で聴きやすい音質と、WF-1000Xは十分評価できるイヤホンだと感じます。
一方で音の遅延、悪いバッテリー持ちなど、使用シーンによってはおすすめできないこともあるのも事実。今後に期待、というところでしょう。
- 実用レベルのノイズキャンセリング性能
- どの音域も自然で優等生な音質
- 音切れは改善されたが音の遅延は致命的
- バッテリー持ち重視ならおすすめしにくい
3.【SONY】WF-SP700N
続いては同じSONYの完全ワイヤレスイヤホン「WF-SP700N」。ノイズキャンセリングを搭載し、一見WF-1000Xの進化版と見られがちですが、実際に使ってみると、そもそものコンセプトが違うことが分かります。
スポーツシーンだけではもったいない
汗や雨に耐えられる防滴性能(IPX4)、耳から落ちにくいアークサポーターといった特徴を見ていくと、スポーツシーンに特化した完全ワイヤレスイヤホンに見えますが、普段使いにもおすすめできるイヤホンです。スポーツシーンに限定するのはもったいないと感じます。
「EXTRA BASS」パンチの効いた重低音がいい!
WF-SP700Nは重低音が好きな人にはぜひおすすめしたい完全ワイヤレスイヤホンです。専用アプリ「Headphones」から「EXTRA BASS」をオンにするとパンチの効いた重低音を楽しめます。
EXTRA BASSによるパンチの効いた重低音がすごい!
初めて聴いたとき、この重低音には衝撃を受けました。WF-1000Xはフラットな音でしたが、WF-SP700Nではかなり低音重視。専用アプリ「Headphones」のイコライザー機能で低音をさらに強調させると、大迫力の重低音が耳に飛び込んできます。
この重低音のビートはワークアウトとの相性がいいですし、R&Bやヒップホップをよく聴く人にもぜひ体験してほしいですね!
音切れはないが、遅延は相変わらず
発売当初WF-1000Xで発生していた音切れはWF-SP700Nでは見られませんでした。かなりよくなっていますね。人混みの中、車や電車が行き交う場所で使用してみましたが、音切れは発生しませんでした。使用環境によって発生する可能性はありますが、心配しなくてはいけないレベルでないことは間違いありません。
ただWF-1000Xと同様、音の遅延はかわらず発生しています。YouTube動画を見ると口パク状態になるのは変わりません。
この点は残念でなりませんが、迫力の重低音は捨てがたい。「遅延があるから」と理由で選ばないのはもったいないですね。そういう意味では非常に「惜しい」イヤホンだと思います。
ノイキャン性能はWF-1000Xとほぼ同じ
WF-1000Xのノイキャン性能は、SONYが「業界最高クラス」とうたっていますが、WF-SP700Nはうたわれていません。ノイキャン性能に違いがあるのかな?と思っていましたが、実際に使ってみてもその違いはほぼ感じませんでした。同等と言っていいでしょう。
WF-SP700Nまとめ
音の遅延に関しては残念ですが、その他ノイキャン・防滴(IPX4)・専用アプリによるイコライザー調整・アンビエントサウンド(外音取り込み機能)など、さまざざまな機能が満載です。
なによりWF-SP700NのEXTRA BASSは、重低音好きにはたまらいないでしょう。頭に直接響くビートと重量感。これは実際に聴いてみれば分かります。
- WF-1000X同等のノイキャン性能
- 防滴(IPX4)でスポーツシーンにも最適
- EXTRA BASSによる迫力の重低音
- 音の遅延・バッテリー持ちはWF-1000Xと変わらず
4.【BOSE】SoundSport Free wireless headphones
BOSE(ボーズ)初の完全ワイヤレスイヤホンとして登場した「SoundSport Free wireless headphones」。
その名のとおりスポーツシーンを意識した完全ワイヤレスイヤホンですが、WF-SP700N同様、スポーツシーンに限定してはもったいないと思わせてくれるイヤホンです。
スポーツシーンに合うパワフルなBOSEサウンド
音質に関しては、まさに「BOSEサウンド」と言うべき心地よい低音が特徴です。特にテンションを上げたいスポーツやワークアウト時にはもってこいのパワフルなサウンド。
なかなか価格が張る完全ワイヤレスイヤホンですが、その価格に見合う仕上がりとなっています。
遮音性は低めだが、それが良い
カナル型のかたちをしていますが、遮音性は低めです。AirPodsほどではありませんが、周囲の音がほどよく聞こえ、どのような場所で使っていても不安に感じることはありません。
遮音性が低いということは、悪く言うと騒音が入ってくるということですが、よく言うと周りの音にしっかり反応できるということ。屋外においても自転車や車の音をしっかり聞き取れ、屋内でも人からの呼びかけにもしっかり反応できます。
密閉性は中レベルでほどよく周囲の音が入ってくる
AirPodsのところでも書きましたが、僕自身この遮音性の低さはデメリットよりメリットのほうが大きいと考えています。それだけ使用できる場所・シーンが多くなり、自然とイヤホンを手に取る機会が増えます。
もちろん室内でじっくり腰を据えて音楽を聴きたいということなら、周囲の音に反応する必要はありません。しかし一切コードのない完全ワイヤレスイヤホンはアクティブな使い方に向いていることを考えると、周囲の音が聞き取れることはメリットのほうが大きいのです。
音の遅延は気にならないレベル
完全ワイヤレスイヤホンの仕組み上、どうしても多少の音の遅延は発生します。ただ製品によって遅延が大きい・少ないがあるのは確か。
このイヤホンに関しては、多少の音の遅延があるものの、ほぼ気にならないレベルです。先に紹介したSONYの完全ワイヤレスイヤホンに比べると、かなりマシな印象。これならYouTubeや映画鑑賞でもストレスなく使用できるでしょう。
接続安定性に関しても問題ないですね。イヤホンを手で覆うと接続が不安定になりますが、通常の使用では安定しています。
ワンタッチで接続機器を切り替えられるのは便利
一度ペアリングした機器に対しては、左耳のボタンを押すことでかんたんに接続機器を切り替えられるようになっています。
L側のボタンで接続機器を切り替えられる
SONYの完全ワイヤレスイヤホンの場合、最後に接続した機器へは自動的に接続されますが、そこから切り替える場合はペアリングモードにしたのちにスマホ等の設定画面から接続しなければいけません。
BOSEのイヤホン・ヘッドホンはいくつか持っていますが、使い勝手に関してはSONYより断然いいですね。
防滴性能・バッテリー持ちについて
スポーツシーンでの使用を想定されていることもあり、もちろん汗や雨にも耐えうる防滴仕様(IPX4)になっています。僕自身は汗による水没でイヤホンを壊したこともあるので、特にスポーツシーンにおいては必須の機能でしょう。
そしてバッテリー持ちも充電ケース込みで最大15時間と合格点をあげられます。イヤホン単体で最大5時間、充電ケースで2回分のフル充電ができるので、よほどのヘビーユーザーでなければ、これだけ持てば十分でしょう。
SoundSport Free wireless headphonesまとめ
BOSE初の完全ワイヤレスイヤホンということで注目を集めたイヤホンですが、初と言ってもその完成度は高く、さすかBOSEといったところでしょう。
防滴性能を備え、遮音性が高すぎないことを考えると、スポーツシーンにおいて大活躍してくれるでしょう。
- 心地よい低音が響くBOSEサウンド
- 高すぎない遮音性
- 音の遅延は気にならないレベル
- ワンタッチで接続機器を切り替え
- 防滴性能(IPX4)にケース込みで最大10時間使用できるバッテリー
5.【Anker】Zolo Liberty+
最後はAnker(アンカー)の完全ワイヤレスイヤホン「Zolo Liberty+」です。アメリカのクラウドファンディングサイト「キックスターター」でおよそ3億円にのぼる支援金を集めた注目の完全ワイヤレスイヤホン。
最大48時間のバッテリー持ち
完全ワイヤレスイヤホンにとって、バッテリー持ちは大事なポイントのひとつです。有線イヤホンであればバッテリーとは無縁ですが、ワイヤレスイヤホンの場合バッテリー切れを起こしてしまうと使用できなくなります。
Zolo Liberty+は、単体での連続再生こそ最大3.5時間と他製品と比べて特別長いわけではありませんが、充電ケースを使用すると最大48時間の使用が可能です。
長期の旅行や出張時にも便利ですし、なにより面倒な充電回数が減ります。そのぶん充電ケースの重量は重めですが、このバッテリー持ちはZolo Libety+の特徴であり大きなセールスポイントです。
充電ケースは重めだが、タフなバッテリーは嬉しい
音質は◎ コスパよし!
音質はどちらかと言うと低音が厚め。それでいて高音もしっかり出ていて、全体的にバランスがいいという印象を受けました。音の解像度も高く、非常に完成度が高い音ですね。
この音質の良さはドライバーに「グラフェン」が採用されている恩恵なのでしょうか。完全ワイヤレスイヤホンであることを忘れさせてくれるほどです。
なにより、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンで高音質を楽しめるところにZolo Liberty+の魅力があります。コストパフォーマンスに関しては文句のつけようがありません。
接続安定性が抜群。音の遅延もなし
完全ワイヤレスイヤホンのネックになりやすい接続安定性と遅延についてですが、Zolo Liberty+は非常に優秀です。日常使用において接続が切れたり不安定になったことはありませんし、動画視聴時の音の遅延も気付かないレベルです。
Zolo Liberty+の接続安定性と遅延のなさは、感覚的にAirPodsレベルと言っていいでしょう。
IPX5防水に対応しあらゆるシーンで使用できる
Zolo Liberty+はIPX5防止に対応しています。IPX5は あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
という防水等級となり、汗や雨といったイヤホン使用時に考えられる環境では十分な防水性能でしょう。
着地ノイズが気になる
Zolo Liberty+は音質・性能・価格どれをとっても満足度の高い完全ワイヤレスイヤホンです。実際に使ってみると、多くの人に支持されている理由が分かります。
ただ一点、「着地ノイズ」が気になりました。着地ノイズは、足を着地させたときに聞こえる「ゴソゴソ」という音です。
接触面が多いからか、着地ノイズが気になってしまう
これまで紹介したどのイヤホンでも気になりませんでしたが、Zolo Libety+ではこの着地ノイズが大きく感じ、非常に気になりました。
安静にしているときはいいのですが、歩いているとき、走っているときに聞こえる着地ノイズは、僕にとっては不愉快。ある程度音量を上げてしまえば気になりませんが、歩いているときや走っているときに音量を上げれば危険ですからね。
これまで書いているように、音質・性能がいいイヤホンだけに、この点は余計に残念に感じてしまいます。
Zolo Libety+まとめ
長時間使用可能なバッテリー持ち、音質、接続安定性と遅延のなさなど、全体的に非常に満足度が高い完全ワイヤレスイヤホンだと感じます。
それだけに気になる着地ノイズが残念に感じてしまいますが、使用に致命的なレベルではないので、ここは使う人の感じ方によるところでしょう。
- タフなバッテリー(最大48時間)
- 低音・高音ともバランスがとれた音質
- 接続安定性と音の遅延のなさは優秀
- IPX5であらゆるシーンに使用できる
- 「ゴソゴソ」と着地ノイズが気になる
あなたが選ぶべき完全ワイヤレスイヤホンはコレ!
ここまで5つのおすすめの完全ワイヤレスイヤホンを紹介してきました。基本的にはどのイヤホンもおすすめですが、最後に「特にこんな人にこのイヤホンをおすすめしたい」というパターンを紹介しておきます。
iPhoneユーザーならAirPodsは必ず検討すべき
やはりiPhoneユーザーにとって、ひとつ抜き出たAirPodsの使い勝手の良さは捨てがたい。Apple純正イヤホンなので、当然iPhoneとの親和性が高く、かんたんな接続設定や操作性など、iPhoneで使ってこそAirPodsの便利さが際立つ点が多くあります。
そのほか低遅延・接続安定性も抜群で、完全ワイヤレスイヤホンとしての完成度が非常に高いですね。
ただインイヤー型イヤホンということもあり遮音性が低いということは強調しておきます。ここは使い手・使用シーンによってデメリットにもメリットにもなり得るところです。ここをメリットと捉えれば、AirPodsを選んで後悔はありません。
スポーツ・ワークアウトシーンにはWF-SP700Nがおすすめ
スポーツやワークアウトシーンにはWF-SP700Nがおすすめです。汗や雨に耐えうる防滴性能はじめ、EXTRA BASSによる迫力ある重低音はスポーツシーンには相性がいいでしょう。
特にパンチの効いた重低音は、ここで紹介したどのイヤホンよりも一番です。重低音好きにもおすすめできます。
ただWF-SP700Nは密閉性が高く、ノイズキャンセリングをオフにしても周囲の音が入ってきにくいので、屋外での使用は注意が必要です。アンビエントサウンドという外音取り込み機能をオンにしても、音の方向感が分かりにくいのでちょっと厳しいところがあります。
スポーツシーンにおいて周囲の音を聞き取りたいということであれば、BOSEのSoundSport Free wireless headphonesという選択肢になります。重低音はWF-SP700Nに負けますが、それでも低音が効いたサウンドを楽しめます。
密閉性の高さを求めるならWF-SP700N、逆に周囲の音を遮断されては困るということであればSoundSport Free wireless headphonesで間違いないでしょう。
Zolo Liberty+も悪くないのですが、やはり「着地ノイズ」が気になります。スペック的には全体的に高いですし、価格的にも魅力的な完全ワイヤレスイヤホンです。しかし着地ノイズが気になることで自然と使用回数が減っていっているのが現状です。こちらもいい製品だけに惜しいですね。
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