優れたコスパに定評があるAnker(アンカー)から1月20日、完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty Air 2 Pro(税込12,980円)」「Soundcore Life A2 NC(税込9,990円)」の2機種が発売されています。両機種はAnker初のアクティブノイズキャンセリングに対応します。
今回レビューするのはLiberty Air 2 Proです。 僕自身は普段からAirPods Proを愛用しているのですが、Liberty Air 2 ProはAirPods Pro(税込30,580円)の価格の約2分の1。
「1万円台のLiberty Air 2 Proが良ければ、これから購入する人はわざわざ高価なAirPods Proを選ばなくてもよくなるかも」という期待もあり、購入し試してみました。Ankerの完全ワイヤレスイヤホンを買うのはかなり久しぶりです。
Liberty Air 2 Proを実際に使ってみて、「1万円台でこのノイキャン性能と音質ならコスパ最強でしょ!」という感想を持ちました。ノイキャン性能は想像以上の性能でしたし、音質も普通にいい……。
AirPod Proは、完成度の高いイヤホンであることは間違いないのですが、決してコスパがいいイヤホンとは言えません。その点Liberty Air 2 Proは1万円台で本格的なノイキャン性能を体験できます。素晴らしい!
「Liberty Air 2 Pro」と「Life A2 NC」の違い
Liberty Air 2 Pro(税込12,980円)とLife A2 NC(税込9,990円)の価格差は約3千円。両者の違いが気になっている方もいらっしゃるかと思いますので、まとめておきます。
モデル | Liberty Air 2 Pro | Life A2 NC |
価格 | 12,980円(税込) | 9,990円(税込) |
ノイズキャンセリング | 〇 | |
外音取り込み機能 | 〇 | |
ドライバー | 11mm(PureNoteドライバー) | 11mm |
Bluetooth規格 | 5.0 | |
対応コーデック | SBC/AAC | |
Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP | |
イコライザー設定 | 〇(HearID 2.0) | 〇(プリセットのみ) |
バッテリー | 【イヤホン】最大6時間 【充電ケース込み】最大21時間4 ※ノイキャンON時 | 【イヤホン】最大6時間 【充電ケース込み】最大35時間 ※ノイキャンON時 |
コネクタ | USB Type C | |
Qiワイヤレス充電 | 〇 | ─ |
装着検出 | 〇 | ─ |
防水性能 | IPX4 | IPX5 |
重量(充電ケース込み) | 約62g | 約67g |
カラー | ホワイト/ブラック |
両機種とも11mmと大口径のドライバーを搭載。Liberty Air 2 Proには、同じ11mmでも「圧倒的な硬度を誇る10層のナノレイヤーで構築されたPureNoteドライバー」を搭載する点でアドバンテージがあります。
またLiberty Air 2 Proは、専用アプリ「Soundcore」を使って自分の耳に合う最適な設定を行える「HearID 2.0」に対応、イヤホンを耳から外すと再生が自動停止、再び装着すると再生できる装着検出にも対応します。
充電ケース込みのバッテリー時間が長かったり、対応している防水規格がワンランク上だったりと、逆にLife A2 NCのほうが優れているポイントもありますね。
今回の記事ではLife A2 NCとの聞き比べはできていませんが、約3千円の価格差なら、より音質のいいドライバーを搭載するLiberty Air 2 Proが魅力的に見えます。イヤホンの脱着で自動的に一時停止/再生再開してくれる機能も地味に便利です。
対応コーデックが「SBC」「AAC」のみなのは少々意外ですね。「aptX」には未対応です。コーデックは音質や遅延などに関わってくるところ。iPhoneなどAppleデバイスはAACですが、AndroidスマホはatpXが主流です。
ただ、AACコーデックにも対応するAndroidスマホは意外に多かったりします。「〇〇(スマホ名) コーデック」などのワードで検索すれば対応情報が出てくるかと思いますので、気になる方は事前に確認しておきましょう。
Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro レビュー
Liberty Air 2 Pro を使ってみて感じたことを書いていきます。ここでは以下の4つのポイントに触れています。
- 装着感
- ノイキャン性能
- 音質
- 使い勝手
装着感は文句なし!
普段使いできるイヤホンということを考えたときに、「装着感は快適か?」というポイントは超重要だと思っています。耳につけていて疲れるイヤホンは経験上、いくら音質が良くてもだんだんと使用頻度が下がっていきますからね。
Liberty Air 2 Proは、耳の穴に押し込んで装着するカナル型イヤホン。耳にひっかけるインイヤー型イヤホンと比べて圧迫感が出てしまうことは仕方ないのですが、「自分の耳にあったサイズのイヤーピース」を装着することで圧迫感を最小限に抑えられます。
Liberty Air 2 Proには、なんと合計9サイズ(XXXS / XXS / XS / S / M / M+ / L / L+ / XL)の交換用イヤーピースが付属。自分にあったサイズを確実に見つけることができます。
僕の場合は「M+サイズ」がぴったりでした。人によっては左右の耳の穴の大きさが違うこともあるのだそう。多くのサイズが小刻みに用意されていることは、僕にとってかなり高ポイントです。
片耳の重量を測ってみると約5gでした。AirPods Proが5.4gなので(片耳)、ほぼ同じくらいの重量になります。これくらいの重量ならつけていて重さを感じることはありません。
Liberty Air 2 Proの装着感に関しては文句なしです。AirPods Proも付けていて相当ラクなのですが、Liberty Air 2 Proもそれと同等の快適な装着感と言っていいですね。フィットしたイヤーチップおかげもあって圧迫感を感じません。
1万円台のイヤホンとは思えないノイキャン性能
Liberty Air 2 Proのノイキャン性能には、正直驚きました。高いノイキャン性能に定評のあるAirPods Proに迫る性能。エアコンや空気清浄機の動作音を見事に消してくれます。
AirPods Proのノイキャンと比較して「わずかにAirPods Proが勝っているかな?」という印象ですが、音楽再生を止めて耳を澄ませてやっと違いが分かるレベル。音を再生させている状態では違いは感じられないでしょう。
Liberty Air 2 Proでは、環境に応じてノイキャンモードを切り替えられます。交通機関モードがいちばんノイキャンの効きが強いようです。
Liberty Air 2 Proのノイキャンモード | 内容 |
交通機関モード | 乗り物のエンジン音や走行音など、低周波ノイズを抑えるモード |
屋内モード | 周囲の会話など中周波ノイズを低減するモード |
屋外モード | 街中の環境音などのノイズを低減モード |
カスタム | 自分好みのノイキャンレベルに設定できるモード |
ノイキャンモードの切り替えは専用アプリ「Soundcore」から行えます。
「1万円台のワイヤレスイヤホン」ということを考えると、このノイキャン性能は良すぎです。ノイキャンワイヤレスというジャンルでは、Liberty Air 2 Proのコスパを超えるものはないのではないでしょうか。
Liberty Air 2 Proには「外音取り込みモード」も搭載されています。聞こえ方も自然で問題なし。カナル型イヤホンは耳の穴を塞いでしまうので、どうしても周囲の音を聞き取りづらくなります。「アナウンスの声を聞き逃したくない」なんてときは、外音取り込みモードを活用しましょう。
音質について → HearID 2.0がいい!
続いてはLiberty Air 2 Proの音質についてです。音の傾向としてはドンシャリ傾向。一般的に「いい音」と言えるかと思います。
Liberty Air 2 Proには、聴き手の聴覚測定を行い音の特性を最適化する「HearID 2.0」という機能があります(Soundcoreアプリが必要)。
聴覚検査のようにイヤホンから聞こえる、聞こえないを選択しながら進めていきます。所要時間は数分。ユーザーの耳の聞こえ方からオリジナルのプロファイルを作成してくれます。
僕の場合、作成したプロファイルをオンにするとボーカルがより聞こえやすくなり、全体的にも未設定ではこもっていた音がよりクリアになりました。
イコライザー設定はプリセットで全22種類 + カスタム設定が用意されています。この辺はSoundcoreアプリで設定可能。
ちなみに、HearID 2.0で作成したプロファイルに好みのイコライザー設定を追加することも可能です。
Soundcoreアプリは初めて使いましたが、さまざまな設定を行える多機能さには驚きました。特にHearID 2.0の効果は凄い。音の聞こえ方は人それぞれです。それに左右の耳によっても聞こえ方は違ってきます。それをHearID 2.0で最適化してくれるわけですね。
AirPods Proと音質を比較してみて、AirPods Proのほうが音に立体感があると感じました。ボーカルとドラムなどそれぞれの音がしっかり分離していて、それぞれの距離感も感じられるイメージ。
とはいえLiberty Air 2 Proも音の立体感がないというわけではなく。1万円台のワイヤレスイヤホンであることを考えれば、価格以上の音質だと感じますし、Soundcoreアプリで自分好みの音に設定すれば、AirPods Proとの差をさらに詰められるかと思います。
マイク性能をチェック
続いてマイク性能をチェックしてみます。
これは実際に聴いてもらったほうがはやいと思うので、Liberty Air 2 Proのマイクと、比較のためにAirPods Proのマイクを使って音声を録音してみました。
両者とも同じ声量でしゃべったつもりですが、AirPods Proのほうが人の声にしっかりフォーカスされていることが分かります。マイク性能はAirPods Proのセールスポイント。さすがです。
あえてエアコンの駆動音がする環境で録音しましたが、両者とも人の声がしっかり聞き取れますし、Libery Air 2 Proも想像以上に頑張っている印象です。電話通話時に使用するというレベルでは十分ではないでしょうか。
使い勝手
続いては使い勝手について、Liberty Air 2 ProとAirPods Proを比較してみます。
iPhoneにiPad、MacとApple製品に囲まれている僕にとっては、AirPods Proのほうが使い勝手がいいですね。これらすべてAppleが作っているわけですから当然と言えば当然です。
特にAirPodの「Appleデバイス間のシームレスな接続先切り替え」は非常に便利。例えば、AirPods Proの接続をiPhoneからiPadに切り替えたい場合は、iPhoneからiPadに持ち替えて、iPadで再生してあげるだけ。まさにシームレスです。
Liberty Air 2 Proは、AirPods Proのようにシームレスに接続先を切り替えることはできません。しかし、それは複数のAppleデバイスがあることが前提の話。1台だけでの使用であれば使い勝手に差はありません。
Libery Air 2 Proは、AirPod Proと同じようにイヤホンの脱着に対応して自動的に一時停止/再生してくれます。使い勝手に関してはバッテリー持ちもいいですし、Qiワイヤレス充電にも対応しています。搭載ポートUSB-Cなのもいいですね!
繰り返しになりますが、これが1万円台のワイヤレスイヤホンだとは思えません。凄まじいコスパです。
ひとつLiberty Air 2 Proの使い勝手で惜しいと感じたのは、「素早くモード切り替えができない」というところ。
ハウジング部分を約2秒間、指で抑えると、ノイキャンモードから外音取り込みモードといったように、モードを切り替えられます。瞬発的に周囲の音を聞き取りたいという場面は割と頻繁にあったりします。そんなときにこの2秒間が長く感じるんですよね。
Liberty Air 2 Proに感じる使い勝手の悪さは、本当にそれくらい。この価格でこの完成度のイヤホンを出してくるのですから凄い。
まとめ:安くてもしっかり使えるノイキャンワイヤレス
「ノイキャンワイヤレスイヤホンが欲しい!でも、できるだけ費用を抑えたい」
Liberty Air 2 Proはそんな人にぴったりです。価格を重視するなら「Life A2 NC」も検討したいイヤホンですが、こちらはHear ID 2.0に対応していません。Hear ID 2.0の恩恵を感じられたので、この2機種で迷ったならLiberty Air 2 Proを推します。
最初はaptXに未対応と知って「Androidユーザーは選びにくいかも?」と思いましたが、調べてみるとGalaxyもXperiaもGoogle Pixelも、普通にAACコーデックに対応していますね。SBCコーデックでも極端に音質が落ちるわけではないので、それほど気にしなくてもいいと思っていますが、心配な方は事前に確認しておきましょう。
Liberty Air 2 Proはノイキャン性能、音質、使い勝手とどこをとってもレベルが高い完全ワイヤレスイヤホン。「1万円台のイヤホンでここまで来てるのか」と驚かされました。同ジャンルのイヤホンでは、Liberty Air 2 Proがコスパ最強クラスでしょう!
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