
絶大な支持を得ているPFU社の「HHKB(Happy Hacking Keyboard) Professional Hybrid Type-S」。PFU社が「望み得る機能をすべて備えたフラッグシップ」とうたうキーボードで、僕自身も日々愛用しているキーボードでもあります。
「HHKB Professional Hybrid Type-S」は有線・無線に両対応し(Hybrid)、高速タイピング性と静粛性に優れ(Type-S、Speed/Silent)、まさにこれまでのHHKBキーボードのいいところが詰め込まれたようなキーボード。

しかし、このキーボードには、避けられないデメリットがあります。
それは、「一度使うと、もうこれ以外使えなくなる」というデメリット。僕はiMacをメインとして使っていますが、HHKBを使い出してからは、出先用にと持っているMacBook Proの使用頻度が極端に減ってしまいました。HHKBの使い心地の良さを知ると、ストロークが浅くペチペチとうるさいバタフライキーボードには戻れません。
それでも出先でMacBook Proを使用したい場合もあります。そこで、HHKB × MacBook Proで「尊師スタイル」に挑戦してみました。
結果は大満足!もっと早く尊師スタイルを導入しておけばよかったと後悔するほど快適です。
MacBook Pro × HHKBで「尊師スタイル」
「尊師スタイル」とは、このようなスタイルのことを指します。

「尊師スタイル」という名称は、プログラマーとして有名で一部のファンから「尊師」と崇められていたリチャード・ストールマンが、上のようにラップトップの上に外部キーボードを乗せて使用していたことに由来するのだそう。
ただラップトップにキーボードを乗っければ、尊師スタイルの完成…というわけではなく、 ちょっとした下準備が必要になります。
「尊師スタイル」を実現するためにキーボードブリッジを購入
HHKBをそのままMacBook Proのキーボードに乗せると、HHKBの底面がMacBook Proのキーボードに接触し誤作動を起こしてしまいます。バタフライキーボードを無効化して…いう方法もあるようですが、キートップに負荷がかかるのも好ましくないでしょうし、傷も気になります。

そこで、HHKB向けに作られたバード電子の「キーボードブリッジ」を購入しました。13/15インチクラスのラップトップに対応し、クリア色とホワイト色の2種類あります。
僕が選んだのはホワイト色。クリア色だとホコリが目立っちゃうかな?と思いホワイト色を選びました。
それにしても、一枚の板と言えどもなかなかな価格。なかにはアクリル板を加工したりして自作されている方もいるようですが、僕はDIYは苦手…というより面倒なので、手っ取り早く専用品を購入。
このキーボードブリッジには、シール型のゴム足が付属されています。バタフライキーボードと干渉しないように、四隅に貼っておきます。

15インチMacBook Proのバタフライキーボードの上に、キーボードブリッジを置いてみました。

ぴったりですね!当然ですが、キーボードブリッジを置くことでTouch BarとTouch IDは隠れてしまいます。Touch IDはよく使っているので痛いですが、Touch Barはほぼ使っていないので問題なし。
HHKBを置くと、こんな感じになります。

尊師スタイルを知らない人からすると、見ためは違和感満載ですね。 この状態で使用すればトラックパッドも使えますが、段差がありすぎて手首がつらいので、普段使っているFILCOのパームレストを置きます。

FILICOのパームレストには両端にゴム足が貼り付けられており、トラックパッドに干渉することはありません。ただ、これだとトラックパッドが使えません。
僕の場合は、トラックパッドよりLogicoolのワイヤレスマウス(MX-Master 3)のほうが操作が楽なのでデメリットは感じていません。しかし、トラックパッドを使いたい場合は、必然と段差を許容しなくてはいけなくなります。使い手によっては、これがネックになるかもしれませんね。
なにがともあれ、これで「尊師スタイル」が完成しました。見ため的に不格好なのもあって、 いままで敬遠してきた尊師スタイルですが、いざ使ってみると超快適。もうバタフライキーボードには戻れません。
ちなみに、FILICOのパームレストを愛用しています。高さ的にもHHKBとぴったり。どうぞチェックしてみてください。
MacBook Air(2018)で「尊師スタイル」を試す
13.3インチMacBook Air(2018モデル)でも尊師スタイルを試してみました。

ご覧のとおりぴったりでした!キーボーブリッジのサイズもぴったり。バタフライキーボードへの干渉もありません。13インチMacBook Proも同じサイズですので、13インチもしくは15インチのMacBookであれば、どのモデルも使えるはずです。ただし、Touch BarやTouch IDは隠れてしまうので注意してください。

パームレストを置いてぴったり。13インチMacBook Airでも、このスタイルで操作できるとはテンションが上がります。
「尊師スタイル」でどこでも快適な文字入力環境
僕は集中して作業したいとき、よく漫画喫茶を利用します。小さい部屋で壁に囲まれていると集中できるんですよね。漫画喫茶にはパソコンが置いてありますが、いつもMacBook Proを持参し作業します。

まさにそんなときに、尊師スタイルが大活躍してくれます。使い慣れているキーボードでガツガツ作業。キーボードを持ち運ばなくてはいけないので荷物は増えてしまいますが、それ以上のメリットを感じられています。
「いつでもどこでも快適な文字入力環境を手に入れられる」ということが、尊師スタイルを採用する最大メリットでしょう。それにバタフライキーボードの上にHHKB置くので省スペース。MacBook Pro1台分のスペースで済むわけですから、使用場所を選びません。

上のように「PCスタンド+キーボード」もありでしょう。これはこれで快適です。しかし、PCスタンドは持ち運びするには現実的ではありません。スペース的な問題もあります。 尊師スタイルには、省スペースで済むというメリットも大きい。
ちなみに、HHKBを外に持ち出すときは、専用ケースがあれば便利です。

HHKB専用のハードケースです。1年ほど使用していますが、ほつれもなく丈夫。専用ケースなのでサイズ感もぴったりです。キーボードブリッジも入ります。出先で尊師スタイルを活用するのなら、ぜひ手に入れておきたいアイテム。
REALFORCE For Macで「尊師スタイル」を検証してみた
ついでと言ってはなんですが、東プレのMac向けキーボード「REALFORCE For Mac」でも尊師スタイルを試してみました。試してみたのはテンキーレスタイプです。
「大きい15インチMacBook Proでもちょっと厳しいかな」と思っていましたが、案外いけました。

少しはみ出ますが許容範囲内。これなら使用に支障はありません。トラックパッドにも干渉せず。ただ、サイズ的にテンキー付きのモデルは厳しいかもしれません。

「尊師スタイル」のメリット・デメリットまとめ
尊師スタイルのメリットは、なんといっても「使い慣れたキーボードを使える」ということに尽きます。いちどHHKBを使うと、バタフライキーボードは使えなくなっちゃうんですよね。HHKBを愛する人が行き着くところが、この尊師スタイルなんじゃないかな、と思います。
もちろん、尊師スタイルにはメリットだけでなくデメリットもあります。
- 別途キーボードブリッジを用意する必要がある
- 使うたびにセッティングが必要
- 持ち出す際に荷物が増える
- 角度によってはディスプレイの下部分が見えづらくなる
実際に使ってみて感じたデメリットは、以上の5点。こう書くとメリットよりデメリットのほうが多いような気もしますが、それ以上にMacBookでHHKBを使える喜びのほうが大きいんですよね。どんな環境でも生産性を落とさずに仕事ができることを考えれば、これらのデメリットも気になりません。
超快適な「尊師スタイル」ぜひお試しを!
「もっと早く尊師スタイルを導入しておけばよかった」
これが実際使ってみて感じた率直な感想です。「尊師スタイル」という言葉自体は、HHKBを使い始める前から知っていました。それでも尊師スタイルを採用してこなかったのは、正直「そこまでして外部キーボードを使う必要があるのか」と思ってたから。それでも尊師スタイルを採用したのは、やはりHHKBに惚れ込んだというのが大きいですね。
PFUの公式ページには、「キーボードは大切な、生涯使えるインターフェースであることを忘れていけない。」とあります。僕は「キーボードなんて、ある程度使えば買い直すような消耗品」と考えていましたが、HHKBを使い出した今では、「生涯使えるインターフェース」まさにそのとおりだとともいます。
上の公式動画のなかでも、尊師スタイルが登場してるんですよね。無駄に、というと怒られますが、なかなかかっこいい動画なので、ぜひご覧になってみてください。
尊師スタイルを紹介するはずが、いつの間にかHHKB推しになってしまってますね。ですが、つまりはそういうことなんです。お気に入りのキーボードをラップトップでも使いたいとなれば、必然と尊師スタイルになるのです。
尊師スタイルが気になっている方は、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。超快適ですよ!
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