A15 Bionicチップを搭載しカメラ性能が向上したiPhoneの最新モデル、「iPhone 13」「iPhone 13 mini」がラインアップに加わりました。
「あまり変わってない?」なんて声もありますが、そこで気になるのは値下げされラインアップに残った前モデル「iPhone 12」「iPhone 12 mini」でしょう。
「最新モデルのiPhone 13を購入するか?」
「安くなったiPhone 12を狙うか?」
本記事ではiPhone 13とiPhone 12の違いについてまとめました。どちらを選ぶかで迷っている方は、ぜひ参考にしていただければと思います!
iPhone 13とiPhone 12の違いは?
iPhone 13とiPhone 12は、以下の6つのポイントで違いがあります。
- 価格
- 搭載チップ
- ディスプレイ
- カメラ性能
- バッテリー駆動時間
- カラーバリエーション
それぞれ詳しくみてみましょう。
iPhone 13とiPhone 12の価格を比較
iPhone 13の登場に伴いiPhone 12が値下げされています。
iPhone 13 | iPhone 12 | iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | |
64GB | ─ | 86,800円 | ─ | 69,800円 |
128GB | 98,800円 | 92,800円 | 86,800円 | 75,800円 |
256GB | 110,800円 | 104,800円 | 98,800円 | 87,800円 |
512GB | 134,800円 | ─ | 122,800円 | ─ |
iPhone 13では64GBモデルがなくなり、新たに512GBモデルを選べるようになりました。iPhone 13とiPhone 12で共通しているストレージ容量のモデルで価格を比較してみると以下のようになります。
- iPhone 13とiPhone 12と価格は差は4,000円
- iPhone 13 miniとiPhone 12 miniの価格差は11,000円
具体的な違いについてはこの後ご紹介していきますが、その違いが上の価格差に見合うか、というところがポイントになりそうです。
ほぼ変わらない?A15 Bionicチップ
iPhone 13には「A15 Bionicチップ」が新たに搭載されました。
「CPUは主要な他社製品より最大で50%高速」
「グラフィックは主要な他社製品より最大で30%高速」
「機械学習に用いられるニューラルエンジンの演算処理は毎秒15.8兆回に向上(A14 Bionicでは毎秒11兆回)」
Apple
Appleは上のようにA15 Bionicチップの進化を謳っています。
ベーンチマークスコアはそのうち明らかになってくるかと思いますが、比較対象がA14 Bionicではなく「主要な他社製品」としている時点でそう大きく変わっていないのでしょう。
「ちょっぴり良くなったけど、体感的には分からないレベル」というのが実際のところ、と予想しています。
また具体的に比較できるタイミングになれば、改めて更新させていただきます。
ディスプレイの違い
続いてはディスプレイの違いです。
iPhone 13 | iPhone 12 | iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | |
ディスプレイ | Super Retina XDRディスプレイ(OLDE) | |||
解像度、画素密度 | 2,532 x 1,170ピクセル解像度、460ppi | 2,340 x 1,080ピクセル解像度、476ppi | ||
コントラスト比 | 200万:1 | |||
HDR | ○ | ○ | ○ | ○ |
True Tone | ○ | ○ | ○ | ○ |
P3の広色域 | ○ | ○ | ○ | ○ |
触覚タッチ | ○ | ○ | ○ | ○ |
最大輝度(標準) | 800ニト | 625ニト | 800ニト | 625ニト |
最大輝度(HDR) | 1,200ニト |
ディスプレイのスペックを見て分かることは……ディスプレイの最大輝度が上がったということですね。「ディスプレイが28%明るくなった」とのこと。HDRビデオ再生時の最大輝度は1,200ニトと変わっていません。
また気になっていたノッチ(切り欠き)は最大20%小さくなりました。
ディスプレイに関して言えば、「ほぼ変わっていない」ですね。
カメラ性能が全体的に向上した
続いてはカメラ性能の比較です。
iPhone 13 / 13 mini | iPhone 12 / 12 mini | |
背面カメラ | ・12MP広角(ƒ/1.6 絞り値)・12MP広角(ƒ/2.4 絞り値)のデュアルカメラ・ナイトモード・センサーシフト式手ぶれ補正・大型化した1.7μmピクセルのセンサー・2倍の光学ズームアウトと最大5倍のデジタルズーム・ポートレートモード・スマートHDR 4・フォトグラフスタイル | ・12MP広角(ƒ/1.6 絞り値)・12MP広角(ƒ/2.4 絞り値)のデュアルカメラ・ナイトモード・光学式手ぶれ補正・2倍の光学ズームアウトと最大5倍のデジタルズーム・ポートレートモード・スマートHDR 3 |
背面カメラのビデオ撮影 | ・シネマティックモード(1080p、30fps)・4Kビデオ撮影(60fps)・ドルビービジョン対応HDRビデオ撮影(4K/60fps)・2倍の光学ズームアウトと最大3倍のデジタルズーム・オーディオズーム・1080pスローモーション(120fps/240fps)・タイムラプス・ステレオ録音 | ・4Kビデオ撮影(60fps)・ドルビービジョン対応HDRビデオ撮影(4K、30fps)・2倍の光学ズームアウトと最大3倍のデジタルズーム・オーディオズーム・1080pスローモーション(120fps/240fps)・タイムラプス・ステレオ録音 |
内側カメラ | ・12MPカメラ(ƒ/2.2絞り値)・ナイトモード・ポートレートモード・写真のスマートHDR 4・フォトグラフスタイル | ・12MPカメラ(ƒ/2.2絞り値)・ナイトモード・ポートレートモード・写真のスマートHDR 3 |
内側カメラのビデオ撮影 | ・シネマティックモード(1080p、30fps)・4Kビデオ撮影(60fps)・ドルビービジョン対応HDRビデオ撮影(4K/60fps)・1080pスローモーション(120fps) | ・4Kビデオ撮影(60fps)・ドルビービジョン対応HDRビデオ撮影(4K/30fps)・1080pスローモーション(120fps) |
追加点・変更点を太文字にしてあります。
センサーが大型化された
iPhone 13の広角カメラはセンサーの大型化とƒ1.6の絞り値により、iPhone 12よりも47%多くの光を取り込めるようになりました。
光量の少ない環境でもよりノイズが乗りにくくなり、ナイトモード撮影においても時間短縮に期待できます。
手ぶれ補正がより強力になった
iPhone 13が登場するまでは、iPhone 12 Pro Maxが唯一「センサーシフト式手ぶれ補正」に対応していました。内部のセンサー自身が動いて手ぶれを軽減してくれるというものなのですが、iPhone 13ではこれに対応。
iPhone 12 Pro Maxを使っていて、この強力な手ぶれ補正の恩恵を感じていたので、「できるだけ手ぶれの少ない写真・動画を撮影したい」という方にとってはメリットになるはずです。
「シネマティックモード」とは?
iPhone 13で新しく追加された「シネマティックモード」は、映画やドラマでよく使われる手法の「ピント送り(フォーカス送り)」を自動的に行ってくれるというもの。
1枚目は手前の男性にピントが合っています。後ろに立っている女性に視線を向けるとピントが男性から女性に移動。シネマティックモードではこれを自動でリアルタイムに行なってくれます。ボケ具合やピントは撮影後にもコントロールできます。
このシネマティックモードはiPhone 12に対応していません。
「フォトグラフスタイル」とは?
iPhone 13で対応した「フォトグラフスタイル」とは、写真を狙ったエリアだけの色味や鮮やかさなどを編集できる機能。
よくあるフィルター機能だと写真全体にその効果が及んでしまいます。フォトグラフィックスタイルなら、例えばメインの被写体のみを鮮やかに、後ろの風景のみのホワイトバランスを調整、なんてことが可能になります。
バッテリー駆動時間が伸びた
iPhone 13になりバッテリー駆動時間が伸びています。
- iPhone 13 miniはiPhone 12 miniに比べバッテリー駆動時間が1.5時間長く
- iPhone 13はiPhone 12 miniに比べバッテリー駆動時間が2.5時間長く
Apple公式サイトの仕様では以下の数値になっています。
iPhone 13 | iPhone 12 | iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | |
ビデオ再生 | 最大19時間 | 最大17時間 | 最大17時間 | 最大15時間 |
ビデオ再生(ストリーミング | 最大15時間 | 最大11時間 | 最大13時間 | 最大10時間 |
オーディオ再生 | 最大75時間 | 最大65時間 | 最大55時間 | 最大50時間 |
「バッテリー駆動時間が劇的に伸びた!」というわけではありませんが、バッテリー持ちは使い勝手に関わってくるところ。特にiPhone 12 miniのバッテリー駆動時間が短かったので、少しでも伸びてくれたのはポイントになりそうです。
デザイン・カラーバリエーションの違い
強度の高いCeramic Shieldの前面、背面ガラスとアルミニウムのデザインと、iPhone 13のデザインはiPhone 12を踏襲し大きく変わってません。
パッと見て分かるのは背面の2眼カメラの配置とカラーバリエーションの違いですね。
残念ながら変わらなかったこと
残念ながら、iPhone 13になっても指紋認証は帰ってきていませんでした。情勢的にマスクを着けている時間が長いので、ロック解除する度にパスコードを入力しなければいけないことに手間を感じている方は多いはずです。
ノーマスク状態であれば、iPhoneを手に持って視線を向けるだけでロック解除できるFace ID(顔認証)が便利。顔認証と指紋認証どっちも使えるようになるのが理想ですが、ここまでくるとこの先も指紋認証が帰ってくることはないのかもしれません。
また、iPhone 13でもLightningコネクタからは卒業できませんでした。iPhone 13と同時に発表されたiPad mini(第6世代)はめでたくLightningコネクタから卒業、USB-Cポートに変更されましたが、iPhone 13では依然Lightningコネクタのままです。
USB-Cポート搭載のiPadのように、iPhoneでもケーブル1本でカメラに接続したり、ポータブルSSDを接続したりできるようになれば便利なんですけどね。Appleの「Lightning – USB 3カメラアダプタ」などを使えば同じことはできるのですが、接続するデバイスによっては動作が不安定なこともありますし、アダプタを購入するコストがかかります。
ユーザーとしては指紋認証の搭載、あるいは指紋認証じゃなくてもマスクを装着したままロック解除できるシステムの搭載が待ち遠しいところ。そしてそろそろiPhoneにもUSB-Cポートをお願いします!
iPhone 13とiPhone 12、「買い」はどっち?
カメラ性能が向上し、バッテリー駆動時間が伸びたiPhone 13。新しいA15 Bionicチップは劇的な進化ではなさそうですし、バッテリー駆動時間が伸びたと言っても少しだけです。
ここからは主観的な考えになります。
少なくとも、iPhone 12・iPhone 12 ProユーザーがiPhone 13に買い替えるメリットはあまりないでしょう。いくらカメラ性能が向上したといっても、iPhone 12ユーザーにとってはインパクトは大きくありません。「シネマティックモードで映画のようなビデオをかんたんに撮れる」と言っても、誰もが映画を撮りたいわけではないですからね。
最終的には記事内でご紹介した進化ポイントが、iPhone 13とiPhone 12の価格差に見合うと考えられるかどうか。
- iPhone 13とiPhone 12と価格は差は4,000円(128GB/256GB)
- iPhone 13 miniとiPhone 12 miniの価格差は11,000円(128GB/256GB)
ただiPhone 12より前のモデル、iPhone 11やiPhone SE(第2世代)ユーザーがiPhone 13に買い替えるのはありだと思っています。
OLDE(有機EL)ディスプレイはやはりキレイですし、iPhone 11やSEでは対応していなかったHDRビデオもフルに楽しめます。暗所でも明るく撮影できるナイトモードも便利。特にカメラ性能とビデオ視聴においては、iPhone 13とiPhone 11を比べると劇的に進化しているといっていいでしょう。
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