iPad Pro / AirのUSB-C(Thunderbolt)ポートでできることまとめ

【便利】iPad Pro / AirのUSB-C(Thunderbolt)ポートでできることまとめ

今回の話題は、現行モデルではiPad ProとiPad Airに搭載されている「USB-Cポート」についてです。2021年に発売された新型iPad Pro(11インチ/12.9インチ)は、USB-Cポートでも最大40Gbpsの高速データ転送が可能な「Thunderbolt/USB4」に対応するUSB-Cポートを搭載します。

従来のLightningポートからUSB-Cポートに変更されたことで、iPad活用の幅がぐっと広がりました。

iPadのUSB-Cポートでなにができるの?なにが便利なの?

しかしなかには、このようにUSB-Cポートの便利さを具体的にイメージできない方もいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、「iPad ProとiPad Air搭載のUSB-Cポートでできること」についてまとめました。ぜひさらなるiPad活用のヒントにしていただければと思います!

iPad Pro/iPad AirのUSB-Cポートでできること

そう遠くない未来、すべてのiPadモデルにUSB-Cポートが搭載されると思われますが、現時点でUSB-Cポートを搭載するiPadモデルは以下のとおりです。

  • iPad Pro 11インチ(第1世代)以降
  • iPad Pro 12.9インチ(第3世代)以降
  • iPad Air(第4世代)

iPad Pro 11インチ(第3世代)、iPad Pro 12.9インチ(第5世代)のみ、Thunderbolt/USB4に対応するUSB-Cポートを搭載します。

USB PDによる急速充電

iPad Pro/iPad Airに搭載されているUSB-Cポートは、USB PD(Power Delivery)という急速充電規格に対応しています。PD充電は大容量バッテリーを搭載するiPadだからこそ活用したい機能。

iPad Pro、iPad AirのUSB-Cポート
iPad Pro/iPad AirのUSB-Cポートは「USB PD」の急速充電規格に対応

iPad Pro/iPad Airには、PD規格に対応した「20W USB-C電源アダプタ」が付属されています。PDに対応する充電器なので決して充電が遅いわけではないのですが、20Wよりも大きいW(ワット)数に対応する充電器を使うことで、さらに高速に充電することが可能です。

20W USB-C充電と30W USB-C充電器

Appleの20W USB-C電源アダプタと、20Wより高出力な「Anker PowerPort Atom III Slim 30W」でそれぞれ1時間充電したときに、どれくらいの差が出るのかを確認してみました。

結果は上のようになりました。

かなり大きい差が出たのではないでしょうか。1時間の充電でこれだけの差が出れば、わざわざ30WのUSB-C充電器を用意する意味があります。

検証に使用したAnkerの30W USB-C充電器は、非常にコンパクトでiPadとの相性は抜群です。

ちなみにUSB PDは規格上100Wまでの充電に対応しますが、仮に100WのUSB-C充電器でiPadを充電しても問題ありません。大は小を兼ねる的な考えでOKです。

ただし、最大受け付けてくれる電力はPad Air、iPad Pro 11インチで最大30Wまで、iPad Pro 12.9インチで最大40W程度と言われています(未公表値)。

iPad Pro 11、12.9インチをUSB P急速充電
iPad Pro 11インチは約28W、12.9インチは約36Wで充電できていることを確認

実際に測ってみるとそれに近い数字が出ていました。つまり、フルスピード充電したい場合は、

  • iPad Pro 11インチ/iPad Airをフルスピード充電するなら「30W以上のUSB-C充電器」
  • iPad Pro 12.9インチをフルスピード充電するなら、「40W以上のUSB-C充電器」

充電速度にこだわりたい方は、上を目安にUSB-C充電器を選びましょう。

充電はiPadのUSB-Cポートの基本的な機能であり、同時にいちばんよく使う機能です。充電速度は使い勝手に大きく関わってくるところ。大容量バッテリーを搭載し、ただでさえ充電に時間がかかるiPadだからこそ、急速充電の活用は必須です!

以下の記事でiPadユーザーにチェックして欲しいUSB-C充電器をご紹介しています。

スマホやワイヤレスイヤホンなどへの逆充電

出先で「スマホの充電がない!」というときは、iPadのUSB-Cポートに接続してスマホを充電することができます。

iPadのUSB-CポートでiPhoneを充電
iPadでiPhoneを充電

上のように、USB-CケーブルでiPadと充電したいデバイスと接続してあげればOK。Lightningポートを搭載するiPhoneの場合は、「USB-C – Lightningケーブル」を使います。

iPadのUSB-CポートでAirPodsを充電

スマホ以外にも、AirPodsなどのワイヤレスイヤホンやデジカメ、アクションカム、Apple WatchなどもiPadのUSB-Cポートで充電できます。

  • iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、iPhone 12 mini
  • Galaxy S9
  • iPad mini(第5世代)
  • AirPods、AirPods Pro
  • Apple Watch
  • α7 III、α7S III
  • GoPro HERO 9

手元にあるさまざまなデバイスで充電できるかを確認してみましたが、いずれも問題なく充電できました。

このiPadの充電機能には、僕自身なんどか助けられたことがあります。モバイルバッテリーがあれば、わざわざiPadで充電する必要はありませんが、知っておけばいざというときに活躍してくれますよ!

テレビや外部ディスプレイへの映像・音声出力

iPad Pro、iPad AirのUSB-Cポートにテレビや外部ディスプレイを接続して、映像・音声を出力することができます。

iPadを外部ディスプレイに接続
iPadを外部ディスプレイに接続
iPadを外部ディスプレイに接続2
「写真」アプリ
iPadを外部ディスプレイに接続3
Netflixで動画再生

外部ディスプレイの活用例を挙げてみます。

  • リビングのテレビに接続して、撮影した写真や動画を大画面で楽しむ
  • YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスの利用
  • 大画面で漫画を読む
  • 会議室のテレビにノートアプリをミラーリングさせて、ホワイトボード的な使い方をする
  • プレゼン時に活用する
  • 大画面で画像・動画編集する
  • 外部ディスプレイのほかにマウスやキーボードを接続してパソコンライクに使う

このようにさまざまなシーンで活用できます。どちらかというとビジネスシーンで活躍してくれることが多いでしょうか。

iPadと外部ディスプレイを接続する方法は?

外部ディスプレイに接続する方法はいくつかあります。

  • USB-C
  • Thunderbolt(iPad Pro 11インチ 第3世代、iPad Pro 12.9インチ 第5世代のみ)
  • HDMI
  • DisplayPort/Mini DisplayPort
  • VGA
  • DVI

いちばん定番なのは「HDMI接続」ですね。USB-C入力に対応したディスプレイであればUSB-Cケーブルで繋いであげるだけです。iPadのUSB-CポートディスプレイのHDMIポートを接続する場合は、Appleの「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」などの変換アダプタやUSB-CからHDMIへの変換ケーブルが必要です。幅広く販売されているUSB-Cハブ + HDMIケーブルという組み合わせでもOK。

キングストンのUSB-CハブでHDMI出力
USB-Cハブ + HDMIケーブルの組み合わせがお手軽

僕が普段愛用しているキングストンのUSB-Cハブは、4K/30Hz出力に対応します。SDカードや外部ストレージにアクセルできるUSB-Cハブは、ひとつ持っておくとなにかと便利です。

HDMI接続に関してもう少し突っ込んだお話をすると、iPad Proの場合、HDMI 2.0に対応したアダプタ/HDMIケーブルを使えば4K/60Hzの滑らかな映像を出力できます(iPad Airは4K/30Hzまで)。リフレッシュレートが30Hzだと映像のチラツキが気になる方もいらっしゃるかと思いますので、その場合はHDMI 2.0に対応するものを選んでください。

パソコンに接続してiPadをサブディスプレイとして使う

iPad Pro、iPad Airとパソコンを有線接続して、iPadをサブディスプレイとして使うことができます。

  • 作業領域が広がることで効率アップ
  • どんな環境でもデュアルディスプレイ環境を構築できる

メリットは上の2点。出張先のビジネスホテルやカフェ、移動中など、パソコンとiPadを置くスペースがあればどんな環境でもパフォーマンスを落とすことなく作業できます。

ここでは、「Mac」「Windows」の2つのパターンに分けて方法をご紹介しましょう。

【Mac】iPadをサブディスプレイ化

Macの場合はかんたんです。MacとiPadを接続するだけで準備完了。Macのコントロールパネルの「AirPlayアイコン」をタップして、該当のiPadを選択します。

Mac × iPadのSidecar機能
コントロールパネルの「AirPlayアイコン」から、iPadを選択

するとiPadの画面が切り替わりMacのサブディスプレイとして使用できるようになります。拡張したサブディスプレイをどの位置に配置するかなどの設定はMacの「設定」>「ディスプレイ」から、サイドバーやTouch Barの表示・非表示などの設定はMacの「設定」>「Sidecar」から行えます。

MacとiPadでSidecar機能を使用

使い心地は文句なし。有線接続ということもあり、遅延は感じられません。快適ですね!MacのSidecar機能は無線接続でも使用できますが、遅延の少なさや安定性からパフォーマンスは有線接続に軍配が上がります。

【Windows】 iPadをサブディスプレイ化

続いてはWindowsパソコンの場合です。方法はいくつかあるのですが、ここではiPadアプリ「Duet Display」を使った方法をご紹介します。

流れは以下のようになります。

  1. iPadアプリ「Duet Display」をインストール(有料)
  2. WindowsパソコンでDuet Displayをダウンロード・インストール
    Duet Display公式ページの上部にある「Windows」からダウンロード
  3. WindowsパソコンでDuet Displayを起動させ、iPadを接続する
iPad Duetdisplay

MacのSidecarも非常に優秀ですが、Duet Display × Windowsパソコンの組み合わせも優秀。有線接続においてはSidecar同様に遅延なく使用できます。

MacのSidecar、WindowsパソコンでのDuet Displayについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。iPadのサブディスプレイ化は、出先でパソコン作業をすることが多い人ならチェックしておいて損はありません!

外部ストレージの接続

「デジカメで撮影した写真を出先で確認・編集したい」という場合でも、わざわざパソコンを持っていく必要はありません。データの取り込みから編集、現像までの一連の作業をiPad上で完結させることができます。

iPad Proとミラーレス一眼レフカメラを接続
iPad Pro 11(第2世代)とミラーレス一眼レフカメラ(α7s III)を接続

USB接続に対応したカメラやムービーをiPadに接続すると、外部ストレージとして認識されます。

iPad「ファイル」アプリ
接続したカメラ、カメラに挿入されているSDカードには「ファイル」アプリからアクセできる

カメラがUSB接続に対応していない場合は、Appleの「USB-C – SDカードリーダー」やSDカードを読み込めるUSB-Cハブを活用しましょう。

Apple USB-C -  SDカードリーダーをiPadに接続
Apple「USB-C – SDカードリーダー」

iPad Pro、iPad AirのUSB-Cポートには、カメラやSDカードだけでなく「USBメモリ」や「外付けHDD/SSD」などの外部ストレージも接続できます。

iPadにポータブルSSDを接続
ポータブルSSDを接続

接続した外部ストレージにはiPadの「ファイル」アプリからアクセスでき、ファイルのコピーや移動、圧縮、フォルダの新規作成といった基本的なファイル操作を行えます。

ポータブルSSD内に保存している動画をiPadで再生
ポータブルSSDに保存している動画を再生

上はポータブルSSDに保存している4K動画をiPad4で再生しているところです。高画質動画をiPad内に保存すると、あっという間にストレージが圧迫されてしまいます。動画のように大容量のデータは、外部ストレージに保存して運用する方法が便利です。外部ストレージの活用は、動画編集アプリ「LumaFusion」など で動画を扱う人におすすめです。

iPad ProにThunderbolt対応ポータブルSSDを接続
新型iPad ProならThunderbolt対応ストレージにも対応!

Thunderbolt/USB4に対応するiPad Pro 11インチ(第3世代)、iPad Pro 12.9インチ(第5世代)なら、Thunderbolt対応ストレージを使用できます。

試しに3.72GBの動画データをThunderbolt対応ポータブルSSDからiPadにコピーするのにかかった時間を計測してみると、約6秒でした。Thunderbolt、爆速です。

有線イヤホンやオーディオインターフェースを接続する

USB-Cポートを搭載するiPadモデルには、ヘッドフォンジャックがありません。有線イヤホンを接続するには、USB-Cから3.5mmヘッドフォンジャックに変換するアダプタが必要になります。

Apple USB-C - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ
USB-Cポート搭載iPadはヘッドフォンジャックが搭載されていないため変換アダプタを用意する必要がある

結論からいうと、変換アダプタはAppleの「USB-C – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」がおすすめです。

Amazonなんかで検索するとたくさんの変換アダプタが販売されていますが、DAC内蔵型でない(iPadでは機能しない)ものがたくさん混じっています。

AppleのUSB-C – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタなら問題なく使用できますし、イヤホンのマイクにも対応にも対応するので、あとから困ることはありません。

また、iPadにはオーディオインターフェースも接続できます。対応製品をお探しの方は以下からチェックしてみてください。

iPad対応の「オーディオインターフェース」をチェック!

有線マウス・有線キーボードを接続する

USBハブを使って有線マウスと有線キーボードを接続してみました。

iPadに有線キーボードと有線マウスを接続

こうやって接続してみると、もはやパソコンですね。高速に文字入力するには、物理キーボードがいちばん。画面上に表示させて使用するソフトウェアキーボードもiPadOSの進化で使いやすくはなってきているものの、やはり物理キーボードには勝てません。

MacやiOS/iPadOSに最適化されていないJIS(日本語)配列キーボードをiPadに接続すると、US(英語)配列として認識されてしまいます。その場合、キートップに印字されている記号と異なる記号が入力される、ということが起こりとても使いにくい状態に。US配列はUS配列として認識されるので問題ありませんが、JIS配列キーボードを接続する場合はMacやiOS/iPadOSに最適化されたキーボードを選びましょう。

iPadにマウスを接続
マウスを接続するとポインタが表示される

iPadにマウスを接続すると、丸いポインタが表示。マウス操作が可能になります。タッチ操作で腕を上げ下げするよりも、マウス操作のほうが運動量が少なく済むので楽チンです。細かい操作もマウスがあったほうがしやすいですね!

ただ、やはりこのスタイルはケーブルの煩わしさがあります。利用シーンが限られているのなら有線マウス・有線キーボードで間に合わせるのもありですが、日常的に使うのならBluetoothマウス・キーボードがおすすめです。

(おまけ)Thunderbolt 4ドックを接続してみた

最後におまけとして、Thunderbolt/USB4対応のUSB-Cポートを搭載するiPad Pro 11インチ(第3世代)、iPad Pro 12.9インチ(第5世代)に「Thunderbolt 4ドック」を接続してみたときの挙動をご紹介します。

OWC Thunderbolt 4ドック
Thunderboltポートを増やせるOWCのThunderbolt 4ドック

こちらはパソコン関連の機器で有名な「OWC」というメーカーのThunderbolt対応ドック。Thunderbolt 4に対応します。

このドックをiPad Proに接続すると、複数のThunderboltアクセサリーを同時に使えるようになります(このドックの場合は最大3台まで)。Thunderboltディスプレイに映像を出力しながら、同時にThunderbolt対応ポータブルSSDを使用できるわけです。

このようにThuderbolt対応USB-Cポートの拡張ができるのは、「Thunderbolt 4に対応したドック」のみ。USB-CドックやThunderbolt 3ドックではできません。

iPad ProとThuderbolt 4ドック
iPad Pro 12.9インチにThuderbolt 4ドックを接続

上の写真ではiPad Pro 12.9インチ(第5世代)に、

  • Thunderboltディスプレイ
  • Thunderbolt対応ポータブルSSD ×2
  • SDカード
  • 有線キーボード
  • 有線LAN

これらがThunderbolt 4ドックをとおして接続されている状態。

iPad ProにThunderbolt 4ドックを接続2

ポータブルSSDが2つにSDカードと、すべてきちんと認識されています。これはThunderoblt 4ドックがなせる技です。

これはもともと拡張性に乏しいM1 MacBook Proのために購入したもの。高価なドックということもあり、iPad Proのためだけに購入するのはもったいないような気もしますが、僕の場合のようにパソコンと併用できるのであれば検討して見る価値ありです。

あまりニーズはないかもしれませんが、こういうこともできるよ、ということでご紹介しておきます。

iPad Pro、iPad AirのUSB-Cポートで可能性が広がる!

ここまで「iPad Pro/iPad AirのUSB-Cポートでできること」ということでご紹介させていただきました。Lightningの縛りから解放されたことで、選べるアクセサリーが何倍にも増え、できることも増えました。

記事内でご紹介したできることのなかには、活用できる頻度が高くないももあったかもしれません。しかし、いろいろな機能を積極的に使ってみることで発見できる便利さもあります。ぜひこの記事を参考にしていただき、あなたのiPadライフにお役立てください!