iPadを購入する際、「どのストレージ容量を選ぶか」に悩まれる方はきっと多いのではないでしょうか。
iPadのストレージ容量はあとから増やすことはできません。購入時に自分の使い方に最適なストレージ容量を選ぶ必要があります。
そこで本記事では、iPadを購入する際に参考にしてほしい「iPadにおすすめのストレージ容量」と「iPadのストレージ容量の選び方」について解説します。
- この記事で分かること
ぜひ本記事を参考にしていただき、あなたにぴったりなストレージ容量を選んでみてください!
【用途別】iPadにおすすめのストレージ容量
最適なストレージ容量は「iPadをどんな用途に使うか」で決まってきます。ここでは用途別におすすめのストレージ容量をご紹介します。
iPadのストレージ容量別の価格一覧
iPadモデルによって、選べるストレージ容量と価格が異なります。
ストレージ容量の選択はお財布にも影響があるところ。まずは購入したいと考えているiPadモデルにおけるストレージ容量別の価格を確認しておきましょう。
(カッコ内はセルラーモデルの価格)
iPadモデル | iPad (第10世代) | iPad (第9世代) | iPad Air (第5世代) | iPad mini (第6世代) | iPad Pro 11 (第4世代) | iPad Pro 12.9 (第6世代) |
---|---|---|---|---|---|---|
64GB | 68,800円 (92,800円) | 49,800円 (69,800円) | 92,800円 (116,800円) | 78,800円 (102,800円) | ─ | ─ |
128GB | ─ | ─ | ─ | ─ | 124,800円 (148,800円) | 172,800円 (196,800円) |
256GB | 92,800円 (116,800円) | 71,800円 (91,800円) | 116,800円 (140,800円) | 102,800円 (126,800円) | 140,800円 (164,800円) | 188,800円 (212,800円) |
512GB | ─ | ─ | ─ | ─ | 172,800円 (196,800円) | 220,800円 (244,800円) |
1TB | ─ | ─ | ─ | ─ | 236,800円 (260,800円) | 284,800円 (308,800円) |
2TB | ─ | ─ | ─ | ─ | 300,800円 (324,800円) | 348,800円 (372,800円) |
※ 税込価格。カッコ内はWi-Fi + Cellularモデルの価格。 |
△ この表は横スクロールできます。
iPad、iPad Air、iPad miniは64GB・256GBから、iPad Proは128GBから最大2TBまでストレージ容量を選択できます。
大きいストレージ容量を選ぶと、iPadの価格も大きく上がります。規則性を見ると、64GBあたり8,000円の価格アップとなっていますね(iPad Proの2TBモデルを除く)。
1. WEBサイトの閲覧や動画視聴
iPadの用途がWEBサイトの閲覧や動画視聴がメインなら、最小のストレージ容量で十分です。つまり、iPad・iPad Air・iPad miniは64GB以上、iPad Proは128GB以上でOK。
現在の動画視聴はストリーミング再生が主流です。ネット環境(Wi-Fi環境)があれば、iPadのストレージ容量を消費することなく動画視聴できます。
利用する動画サービスにもよりますが、YouTubeやNetflix、Huluなどの主要サービスではダウンロードしなければ観られない、という場合はほぼありません。
ただし、ネット環境がなくても動画再生できる「オフライン再生」を利用したい場合は、ある程度のストレージ容量があったほうが安心です。
参考に、Netflixでダウンロードした動画のデータ容量をご紹介します。
- アニメ1話分:80MB〜120MB
- ハリー・ポッターと賢者の石 (2時間32分):713.6MB
- キングダム2 遙かなる大地へ(2時間14分):557.6MB
容量は作品によって異なりますが、アニメは1話分で100MB前後、映画は500MB〜800MBといったところ。
アニメ49話分(呪術廻戦シーズン1、進撃の巨人シーズン1)と映画2本分(ハリー・ポッターと賢者の石 、キングダム2 遙かなる大地へ)、さらにアプリの容量を合計して約7.32GBとなっていました。
オフライン再生のために一時的にダウンロードしておきたいということなら、削除などしてやりくりできるでしょう。
しかし、日常的にオフライン再生を利用している場合、64GBだと足りなくなってしまう可能性があります。
iPadの用途としてWEBサイトの閲覧や動画視聴がメインだという方は、基本的には最小の64GBでOK。オフライン再生を利用する場合は、128GB以上を検討してみましょう。
2. 撮影した写真や動画を見る
スマホで撮影した写真や動画をiPadの「写真」アプリで見るだけであれば、iPadのストレージ容量はさほど必要としません。
それは、写真アプリ内の写真・動画データは、iPadのストレージではなくAppleクラウドストレージサービス「iCloud」に保存されているからです。
iPadの写真アプリで見たい写真や動画をタップすると、そのときにダウンロードされる仕組み。写真アプリに大量の写真・動画が入っていても、iPadのストレージ容量を圧迫しない仕組みになっています。
※ iPad「設定」>「写真」>「iPadのストレージを最適化」がオンの場合。
筆者が所有するiPad(第10世代)の写真アプリでは、4,317枚の写真と917本の動画(合計684.19GB)が見られる状態にありますが、写真アプリの容量はたったの1.05GBです。
Appleの写真アプリだけでなく、Amazon PhotosやGoogleフォトも同じで、iPadのストレージ容量を圧迫しない仕組みになっています。
ただし、ネット環境がない場合やローカルで管理したい場合など、写真アプリ内の写真・動画をダウンロードすれば、当然iPadのストレージ容量を消費することになります。
以下は筆者所有のiPad Pro 12.9インチ(第5世代)の写真アプリのストレージ使用状況です。
iPad Pro 12.9インチ(第5世代)では写真アプリの「iPadのストレージを最適化」をオフにしており、iCloud上の写真・動画データがまるまるiPad内に保存されています。
都度ダウンロードする必要がないためタイムログなく写真・動画を見られますが、このとおりiPadのストレージ容量の多くを消費しています。
iPadで撮影した写真や動画を見るだけであれば、iPadのストレージ容量は気にしなくてOK。iPad内に保存しておきたい場合は、そのデータサイズに応じたストレージ容量を選びましょう。
3. 本・漫画などの電子書籍を読む
本や漫画、雑誌などの電子書籍をよく読まれる方は、iPad・iPad Air・iPad miniは256GB以上、iPad Proは128GB以上を選ぶことをおすすめします。
電子書籍アプリをたまにしか利用しない方であれば、最小ストレージ容量を選択しても問題ありません。
しかし、そこそこ利用し快適性を求めるのであれば、64GBでは足りないですね。
オンラインで読める漫画アプリでも利用し続ければキャッシュデータがガシガシ貯まっていきます。少ないストレージ容量を選択した場合、定期的にキャッシュデータを削除してあげる必要があるでしょう。
また、Kindleやdマガジン、楽天Koboなどでは、購入した電子書籍を読むのにiPadにダウンロードする必要があります。
こちらも読み終わった後の電子書籍のデータを削除すれば少ないストレージ容量でもやりくり可能ですが、使用頻度が高ければ手間になってしまいます。
私はKindleをよく利用しています。Kindleのアプリデータサイズを確認してみると、合計で約8.61GBとなっていました。
Kindleアプリにダウンロードされている本数は137冊です。電子書籍のデータサイズが8.47GBですので、1冊あたり約61.8MBという計算になりますね。
1冊あたりのデータ量は書籍よって大きく上下します。私は図解や写真が掲載されている本をよく購入するので、1冊あたりのデータ量は大きめだと思います。
137冊もダウンロードして10GB以下ですから、消費するストレージ容量は少ないように見えますよね。
しかし、電子書籍アプリの使い方によってはあっという間にストレージ容量が圧迫されてしまいます。
iPadの最小ストレージ容量は64GB。そこからシステム使用分として10GB〜20GBを差し引いた分の44GB〜54GBが実質使えるストレージ容量となります。そのなかでやりくりしなけれなならないわけですから余裕があるとは言えないですよね。
iPadで電子書籍を読む方の場合、ライトな使い方であれば64GBで対応できます。それなりに利用したい方は 、iPad・iPad Air・iPad miniは256GB以上、iPad Proは128GB以上を選びましょう。
4. ノートアプリを使用する
続いては、勉強や仕事のためにiPadでノートアプリを使う場合を考えてみます。
- 自分用のメモをとる。
- iPad・iPad Air・iPad miniは64GB以上、iPad Proは128GB以上
- 教材や資料などのPDF・画像データをノートアプリに取り込みたい。
- iPad・iPad Air・iPad miniは256GB以上、iPad Proは128GB以上
教材や資料などのPDFデータは、その量によってストレージ容量を大きく消費します。
学習用となどで教材のPDFデータを入れておきたいという場合は、少なくとも128GB以上のストレージ容量を選択したほうがいいでしょう。
iPadを持ち出す先にネット環境があれば、iCloudやGoogleドライブなどのクラウドストレージサービスを活用するの手です。
それでもネット環境がなければスマホのテザリング機能などでダウンロードする必要がありますし、時間・データ通信量も消費することに。クラウドストレージの活用はネット環境があることが前提です。
自分用にメモやノートをとる程度であれば、最小ストレージ容量でも問題ありません。
しかし、PDFデータなどの教材・資料を取り込んで学習や仕事などに活用するのなら、64GBの少ないストレージ容量のなかでやりくりするよりは128GB以上がおすすめです。
5. 画像編集やイラストを描く
iPadで画像編集したりイラストを描いたりしたい場合は、iPad・iPad Air・iPad miniは256GB以上、iPad Proは128GB以上のストレージ容量がおすすめです。
iPadの写真アプリでかんたんな画像編集を行う程度なら、最小ストレージ容量でも対応できます。
しかし、PhotoshopやLightroom、Affinity Photoなどで本格的に画像編集・レタッチを行うのであれば、少なくとも128GB以上のストレージ容量があったほうがいいでしょう。
私はiPadで画像編集・レタッチするときは、Lightroomを使っています。
Lightroomではクラウドストレージサービスとの連携でiPadのストレージ容量を圧迫しない仕組みとなっていますが、それでもスマートプレビュー(表示のための低解像度画像)などでそれなりにストレージ容量を消費します。
アプリによっては、クラウドストレージサービスとの連携が用意されておらず、iPad内にデータを保存する必要がある場合もあります。
その場合はiPadのストレージ容量を大きく消費するので、やはり128GB以上、必要に応じて256GB以上のストレージ容量を選択する必要が出てくるでしょう。
6. 動画編集する
iPadで動画編集したい場合は、iPad・iPad Air・iPad miniは256GB以上、iPad Proは128GB以上のストレージ容量がおすすめです。
ひとことに動画編集といってもSNS向けのライトな動画編集から、本格的な動画編集までグラデーションがあります。
ライトな動画編集なら128GBあれば十分対応可能ですが、本格的な動画編集なら256GB以上 + 外部ストレージの活用がおすすめ。
本格的な動画編集を行えるiPadアプリに「LumaFusion」があります。YouTubeさんのなかにも愛用されている方が多い人気アプリですが、LumaFusionは外部ストレージに対応しています。
LumaFusionでは外部ストレージ上のメディアを参照して動画編集できるため、iPadのストレージ容量を大きく消費せず編集を進めることができます。
iPadで本格的な動画編集をするとなると、扱う動画データの大きさによっては512GBや1TBでも不足することもあります。
予算に余裕があれば512GB以上を選択するのもありですが、そうでない場合がほとんどかと思います。128GB以上を最低ラインにしながら、できれば256GB以上 + 外部ストレージの活用を検討してみましょう。
7. ゲームアプリをプレイする
iPadでゲームアプリをプレイするなら、iPad・iPad Air・iPad miniは256GB以上、iPad Proは128GB以上がおすすめです。
使用するストレージ容量は、ゲームアプリにより大きい振り幅があります。例としていくつかのゲームアプリのデータサイズをご紹介します。
人気ゲームアプリ「原神」の容量がスゴいですね。オープンワールドゲームやボイスが用意されたゲームアプリはiPadのストレージ容量を大きく消費します。
ゲームアプリをプレイする方でどれほどのストレージ容量が必要になるかは、iPadどのゲームアプリをプレイしたいのか、複数のゲームアプリをインストールしたいかによります。
特に原神のような大容量のゲームアプリをプレイしたい場合、64GBでは足らなくなる可能性が大。iPadを購入する際は128GB以上のストレージ容量を選択しましょう。
iPadのストレージ容量の選び方
続いては、iPadのストレージ容量の選び方についてポイントを分けて解説していきます。
1. システム使用分を考慮する
iPadのストレージ容量は、64GBなら64GBすべて使えるわけではありません。
それは「システム使用分」としてiPadを動作させるために必要になるデータが入っているためです。
私が所有しているiPad(第10世代)の場合、ストレージ容量の64GBのうち14.22GBが「iPadOS」と「システムデータ」が占めています。
システムデータにはキャッシュやログが含まれるので若干の変動はありますが、自由に使えるストレージ容量は実質40GBほどです。
WEBサイトの閲覧や動画視聴メインならストレージ容量を大きく消費することはありませンが、データ量の大きいゲームアプリを1つか2つインストールすれば、空き容量は残りわずかに。
ノートアプリをとったり電子書籍を読んだりとiPadをそれなりに活用するとなると64GB(実質40GBほど)だと将来的にストレージ容量が足りなくなる可能性が大です。
「64GBで十分だろう」と考えている方は、10GB〜20GBほどのシステム使用分を考慮した上でiPadのストレージ容量を選択するようにしましょう。
2. 大きいデータに高速にアクセスする必要があるか
iPadアプリ本体のデータ容量は、アプリによって差はあれど数百MB以下がほとんど。大きくデータ容量を消費するのは、そのアプリにくっついてくるデータです。
例えば筆者がよく使うノートアプリ「Notability」は、アプリ本体のデータ368.7MBに加え、ノートや取り込んだPDFデータの882.4MBを使用しています。
私の場合は手書きノートが中心なのでまだマシですが、教材や資料などPDFデータを取り込むとさらにデータ量が増えてきます。
NotabiltyはiCloudやGoogle Drive、Dropboxなどのクラウドストレーサイービスとの連携が可能ですが、ノートを閲覧・編集するときはiPadにダウンロードする必要が出てきます。
ダウンロードする必要があるということは、当然ネット環境も必要に。
iPadを持ち出した先にネット環境があればいいですが、なければスマホのテザリングなどでやりくりしなければなりません。データサイズによってはダウンロードするのにも時間がかかります。
PDFデータや画像、動画など大きいデータに環境を選ばず高速にアクセスしたいか。
これがiPadのストレージ容量を選択する上で大事なポイントとなります。
3. スマホのストレージ容量状況を参考にする
どのアプリにどの程度のデータ容量、どのデータにどの程度のデータ容量が必要になるは、なかなかイメージしにくいですよね。
そこで手持ちのスマホが使用しているストレージ容量を確認してみましょう。
iPhoneでは、「設定」>「一般」>「iPhoneストレージ」で使用済みの容量、データ別の内訳を確認できます。
仮に64GB搭載のiPhoneで容量不足を感じていて、iPadでも同じような使い方をするのであれば128GB以上の容量を選択しておいたほうが安心でしょう。
アプリサイズはiPhone版とiPad版で容量が異なるため、iPadで必要な容量を正確に計算できるわけでないことに注意です。
それでも、普段使っているiPhoneでどのアプリ、どのデータにどれくらいの容量を使っているかを確認しておけば、iPadに必要な容量をイメージしやすくなるはずです。
4. iPad Proの1TB以上は16GBメモリ(RAM)搭載
iPda Proは、選択するストレージ容量によってメモリ(RAM)の容量が変わることが判明しています。
iPadモデル | メモリ(RAM)の容量 |
---|---|
iPad(第10世代) | 4GB |
iPad(第9世代) | 3GB |
iPad Air(第5世代) | 8GB |
iPad Pro 11インチ(第4世代) | 8GB 16GB(1TB以上のモデル) |
iPad Pro 12.9インチ(第6世代) | 8GB 16GB(1TB以上のモデル) |
iPad Proの1TB以上のモデルには16GBのメモリが搭載。128GB〜512GBモデルのメモリは8GBです。
メモリは本記事でテーマにしているストレージ容量とは別のものです。
よく「作業机の広さ」に例えられますが、メモリ(RAM)の容量が大きければ大きいほど、動画編集アプリなど負荷のかかる作業が快適になります。
「4K以上の高解像度の動画を編集し、エフェクトを駆使して動画作品を作成したい」
「PhotoshopやAffinity Photoで何十枚もレイヤーを重ねて画像作品を作りたい」
このようなプロレベルのクリエイティブ環境をiPadで実現したい方は、16GBのメモリが搭載されたストレージの容量が1TB以上のモデルを検討してみてもいいでしょう。
ただし、16GBのメモリの恩恵を受けられるのは、ごく一部の方のみ。ほとんどの方は4GBあるいは8GBで十分快適に使えます。
メモリが4GB以上あれば、動画編集などある程度負荷のかかる作業でも問題なく動いてくれます。3Dゲームアプリも問題なく動作します。
ほとんどの人にとって影響のない話ではありますが、ストレージ容量選びに関わってくるところです。「iPad Proの1TB以上のモデルには16GBのメモリ(RAM)が搭載されていること」を知っておきましょう。
まとめ:iPadのストレージ容量の選び方、おすすめは?
本記事では、用途別のiPadおすすめストレージ容量、選び方について解説させていただきました。
必要になるストレージ容量は用途によって異なりますが、どのような用途においても128GB以上のストレージ容量を選んでおけば間違いないでしょう。
「64GBで足らなくなる」ことは多いです。WEBサイトや動画視聴メインであれば困りませんが、システム使用分の10GB〜20GBを差し引くと実質自由に使えるのは50GB〜60GB程度。原神のような大きいゲームアプリをインストールすると、あっという間に空き容量は少なくなってしまいます。
iPad・iPad Air・iPad miniの場合、64GBの次が256GBになります。128GB以上となると必然256GBを選ぶことになりますね。
iPad Proの場合、128GBが最小のストレージ容量です。128GBあればどのような用途にも対応できますが、高性能なiPad Proを選んだということは、「絵やイラストを描きたい」だったり「動画編集したい」といった目的があってiPad Proを選んだのだろうと思います。
特にiPadをクリエイティブ用途に活用したい場合は、大きいストレージ容量を選んでおけばあとから困ることはないでしょう。
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