ついに買っちゃいました!
2019年9月に最新のBOSEのノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700(NCH700)」が発売。同ジャンルにいるソニーの「WH-1000XM3」を愛用している身として、NCH700は非常に気になる存在です。
「NCH700が気になるなぁ、でもWH-1000XM3で満足しているし…」と思いながらも、好奇心に負け購入。結論から言うと、購入して正解、非常に気に入りました。
それでもWH-1000XM3の価格は3万円ちょっとに対し、NCH700は4万円超え。その価格差は1万円以上あります(記事執筆時点での価格)。
現時点での価格はチェックしていただくとして、価格差が1万円以上あるわけです。「ノイズキャンセリングを搭載したワイヤレスヘッドホンが欲しい」という人が行き着くのは、まさにこのふたつのヘッドホンかと思います。「ずいぶんと価格が違うけど、なにが違うの?どっちが買いなの?」と迷う人は多いはず。
この記事では、WH-1000XM3と比較しつつ、NCH700のレビューをご紹介。両者を使ってみて感じた違いや、どんな人にNCH700がおすすめなのか、あるいはWH-1000XM3がおすすめなのか、というところにも触れています。
- WH-1000XM3かNC700、どちらを選ぼうか迷っている人
- WH-1000XM3を所有しているけど、NCH700も気になる人
この記事は、上に当てはまる人に参考になるかと思います。ぜひチェックしてみてください!
BOSE NOISE CANCELLING HEADPHONES 700(NCH700)
まずは、NCH700がどんなヘッドホンなのかを紹介しておきましょう。
カラーバリエーションは左から「ソープストーン」「トリプルブラック」「ラックスシルバー」の3色。ソープストーンは限定カラーで、女性が選びやすいカラーとなっています。
NCH700最大の特徴は、なんといっても「進化したノイズキャンセリング性能」でしょう。従来機である「Quiet Comfot 35 II(QC35 II)」と比べても、その進化は明らか。詳細に関しては後ほど紹介しますが、NCH700のノイキャン性能は、高いノイキャン性能で定評のあるWH-1000XM3に肩を並べるほどです。
そのほか、NCH700の特徴・機能をまとめます。
- ノイズキャンセリング機能(11段階で調節できる)
- 会話モード(ボタン操作で周囲の音が聞こえる状態に)
- 2台まで同時接続できる(同時に再生することはできない)
- 音声アシスタント(Siri/Amazon Alexa/Googleアシスタント)
- タッチセンサーで音楽コントロール
- アダプティブ4マイクシステム(正確に音声を認識)
- 最大20時間のロングバッテリーライフ
- 急速充電に対応(15分の充電で約3.5時間使用できる)
- 付属のオーディオケーブルで有線使用が可能
- Bose AR(オーディオの拡張現実機能)
ノイキャン以外に注目したい機能としては、2台まで同時に接続できる機能。これがめちゃくちゃ便利です。あとは正確に音声を認識してくれるマイク性能にも注目です。
NCH700とWH-1000XM3の比較レビュー
どちらも高価格帯のノイキャンヘッドホンです。それゆえ、この2機種は比較されることが多いのだろうと思います。それではWH-1000XM3と比較しながら、NCH700をレビューしていきます。
以下の7つのポイントで比較していきます。(タップするとジャンプできます)
各項目について、僕なりに勝敗をつけています。僕の主観的な感想なので絶対ではありませんが、この2つを比較する上で参考にあるかと思います。
1. 外観・デザイン
NCH700の外観・デザインを見てみましょう。
単純にかっこいい!無駄にごちゃごちゃしておらず、スッキリとしたデザイン。物理ボタンも目立たず、さりげなく配置されています。デザインに関しては、使い手の好みによるところが大きいですが、僕は大好きなデザインです。
BOSEによると、「可能な限り不要なものを排除したデザイン」とのこと。それに関連して、サイズ調整のためのスライダーが少し特殊になっています。
初見時は「え、どうやってサイズ調節するの?」と疑問に思いましたが、イヤーカップ(ハウジング)部分をスライドさせることで、サイズ調節を行います。どういうことかというと、
こういうことです。特殊だからといって特に使いづらさはありません。両手でイヤーカップを掴み、そのまま装着する流れで容易にサイズ調整できます。
イヤーパッドの素材には、天然由来の素材をパウダーにしたものを配合した人工の革、「プロテインレザー」が使われています。柔らかく、シルキーな肌触り。
ソニーには悪いですが、NCH700とWH-1000XM3をこうやって並べることで、NCH700のデザインの良さがより際立ちます。
例えばヘッドバンド部分。NCH700は、ヘッドバンドと内側のシリコン素材に一体感があり、細部までキレイに仕上げられています。一方でWH-1000XM3は縫い目が見えちゃってますよね。
スライダーからイヤーカップを見ても、まるで印象が違います。WH-1000XM3がごちゃごちゃしているわけではありませんが、並べてみると、やっぱりNCH700のデザインが際立ちますね。
NCH700には表面がレザー製のハードケースが付属されています。NCH700はWH-1000XM3のように折りたためません。よって収納ケースも大きめです(ケースサイズ:21.8 × 17.9 × 6.2 cm)。
WH-1000XM3の収納ケースの表面は、ファブリック素材のような質感です。 これはこれでおしゃれですよね。収納時は折りたたんでコンパクトに収まります(ケースサイズ:約21.3 × 17.2 × 5.4 cm ※実測値)。
【外観・デザイン】勝者:NCH700
デザインのかっこよさは、NCH700が勝利ですね!それぞれデザインのテイストが異なるので、好き嫌いが別れるような気もします。僕はNCH700のほうが好みですね。先進的なデザインというか、デザインはやはりBOSEのほうが一歩先を行っている感じです。
BOSEはNCH700を「可能な限り不要なものを排除したデザイン」と謳っていますが、だからといって機能が劣っているわけではありません。イヤーカップの角度も変えられますし、スライダーは特殊ですが使いづらさはありません。
2. ノイズキャンセリング性能
続いては、誰も気になるノイズキャンセリング性能の比較です。NCH700を使ってみて驚かされたのは、高いノイキャン性能。WH-1000XM3が発売されたときは、「やっぱりノイキャンはソニーだな」と感心していましたが、NCH700はそれに肩を並べるほど、ノイキャン性能が大幅進化しています。
NCH700のノイキャンは、周囲の自動車や電車の騒音、エアコンの駆動音など、あらゆる騒音を見事に打ち消してくれます。特に気に入ったのは、ノイキャン特有の耳の鼓膜への圧迫感の少なさ。WH-1000XM3でノイキャンをオンにしたとき、この不快な圧迫感が気になっていたんですよね。NCH700はこの不快な圧迫感を感じることはほぼありません。
あと、WH-1000XM3は、静かな場所で使用したときに「サーーー」というホワイトノイズが気になることがありました。NCH700は静かな場所で使用したときもホワイトノイズが気になりません。
単純なノイズキャンセリングの性能に関しては、両者ほぼ互角といったところですが、カスタマイズ性についてはWH-1000XM3に軍配が上がります。
NCH700はノイズキャンセリングレベルを「0~10」の11段階からレベルを調節できるのに対し、WH-1000XM3は周囲の音を取り込むレベルを22段階から選択できます。ノイキャンを効かせつつ、人の声はしっかり取り込むという「ボイスフォーカス」もなかなか秀逸です。この辺の調節はNCH700は「Bose Music」、WH-1000XM3は「Headphones」という専用アプリで行えます。
【ノイズキャンセリング性能】勝者:NCH700
単純なノイキャン性能は、ほぼ互角といっていいレベル。ですが、NCH700のほうがノイキャン使用時の不快な圧迫感がないのと、ホワイトノイズが少ない点でNCH700の勝利とします。
ただし、 ノイキャンのカスタマイズ性が高いのはWH-1000XM3ですね。「Headphones」アプリが非常に優秀です。NCH700もこの辺はファームアップデートやアプリ機能の拡充で進化できる部分だと思うので、ぜひBOSEさん、お願いします!
3. 装着感
NCH700とWH-1000XM3に関する、いろんな人の比較レビューを拝見させていただくと、「NCH700のほうが装着感がいい」と人のほうが多いようです。しかし、僕はその逆の印象を持ちました。
というのは、装着時に感じる「側圧」は、NCH700のほうが強めなんですよね。WH-1000XM3のほうが装着感は軽い感じ。頭の大きさやかたちが影響してくるところなので、一概には言えませんが、僕はそう感じました。
NCH700は耳の下の部分に強めの圧を感じます。細かく角度調節しても、感じる圧は変わらず。イヤーパッドはふかふかなんですが、側頭部にかかる圧が均一じゃないように思います。
前提としては、どっちも装着感はいいです。ただ、上でも書きましたが、ノイキャン使用時の(鼓膜への)圧迫感はWH-1000XM3が強めだったりします。装着感とトータルで考えたときに、長時間装着していて楽なのは、NCH700でしょう。
【装着感】勝者:ドロー
比較してみて、側頭部に感じる圧が少ないのはWH-1000XM3だと感じました。しかし、NCH700のほうがいいと考えると人も多いのも事実。人それぞれの感じ方もあるので、装着感が気になる方は実際に試着してみることをおすすめします。ただし、ノイキャン使用時の圧迫感はNCH700のほうが少ないことには注意です。
4. 音質
さて、肝心の音質ですが、これはWH-1000XM3の勝利ですね!
決してNCH700が悪いわけではありません。QC35 IIと比較しても、中音域と高音域が非常にクリアに聞こえます。低音はパンチがある感じではなく、抑え気味にチューニングされてますね。まろやかな感じで、聴き疲れしにくい音。
音の立体感はWH-1000XM3のほうが感じられます。音楽を聞いていても、映画を見ていても、単純に音を楽しめるのはWH-1000XM3でしょう。
WH-1000XM3は「Headphones」アプリでイコライザー設定を弄れるのがポイントが高い!プリセットされている設定だけでも変化を楽しめますし、自分好みに細かく設定することも可能です。
その点、NCH700はイコライザー設定を行うことができません。今後、NCH700でイコライザー設定ができるようになるかも?という話があるので、アップデートが待ち遠しいところです。
【音質】勝者:WH-1000XM3
音を楽しみたいのなら、断然WH-1000XM3で間違いありません。イコライザー設定が可能ですし、音質をハイレゾ相当にスケーリングアップしてくれる「DSEE HX」も注目したい機能です。DSEE HXはストリーミング配信されている音楽もスケーリングアップしてくれるので、恩恵を受けられる人は多いでしょう。
あと細かいところですが、WH-1000XM3が対応しているコーデックは「SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC」の5種類に対し、NCH700は「SBC/AAC」の2種類。AACはiPhoneやiPad、MacといったApple製品が対応、aptXやLDACはAndroidスマホの一部などが対応していて、音質に関わってくるところです。対応コーデックの多さもWH-1000XM3に軍配が上がります。
5. 音の遅延
HuluやNetflixといった動画配信サービスのヘビーユーザーである僕は、音の遅延も気になるところ。音の遅延の程度を比較してみましたが、どちらも超優秀でした。
遅延がまったくないわけではないのですが、映画を見ていても違和感を覚えるほど遅延があるわけではありません。十分快適ですね!
左右のイヤホンが独立した完全ワイヤレスイヤホンなんかだと、個体差によって音の遅延の程度が大きく異なります。遅延が大きくなれば、映画を観ていても口パク状態になり、とても観ていられません。
同様にワイヤレスヘッドホンも、選ぶ製品によって程度の違いが出てくるはずでですが、このクラスになるとどれも優秀ですね。NCH700とWH-1000XM3どちらも遅延が少なく素晴らしい!
【音の遅延】勝者:ドロー
どうなんでしょう、僕は音の遅延がすごく気になるタイプなので、遅延の程度は非常に重要なポイントです。さすがにシビアな音ゲーなんかには向きませんが、YouTubeだったり映画やドラマなどで、動画を観る機会が多い人は、このどちらのヘッドホンを選んでも問題ありません。快適です。
6. 使い勝手
続いては使い勝手についてです。どちらのヘッドホンも物理ボタンに加え、タッチセンサーが搭載されています。WH-1000XM3のタッチセンサーについては、たまに反応してくれないことがあったりしますが、気になるほどではありません。
タッチセンサーはどちらもイヤーカップ部分に搭載されています。NCH700はタッチセンサー部分が狭く、「使いづらそう」という第一印象がありましたが、いざ使ってみるとこれで十分ですね。
使い勝手の部分で紹介したい機能が、「接続先の切り替え」なんですよ。例えば、ヘッドホンの接続先をスマホからパソコンに切り替えたい場合。一般的なワイヤレスイヤホンやヘッドホンの場合、スマホ側でBluetooth接続を解除したのち、パソコン側で接続してあげるという手順を踏まなくてはいけません。
しかし、NCH700はなんと2台までの同時接続に対応。わざわざ解除したり接続したりという手間は要りません。接続元で音声を一時停止させ、接続先で再生すれば、自動的に音声が切り替わります(ただし2台同時に鳴らすことはできない)。
WH-1000XM3はこれができません。普通のワイヤレスヘッドホンと同じように、切り替え手順が必要になります。これが面倒なんですよね。
僕の場合、デスクの上には、パソコンを2台置いています。NCH700なら、この2台のパソコンに同時接続することができます。切り替え先で音楽などを再生してあげるだけですから快適そのもの。もちろん、このパソコン2台という組み合わせだけでなく、Bluetooth接続できる機器であれば、どんな組み合わせでも同時接続できます。これめちゃくちゃ便利じゃないですか?
【使い勝手】勝者:NCH700
とにかく同時接続が便利すぎるので、NCH700の勝利とさせていただきます。「Bose Music」アプリの機能が貧弱という弱点があるものの、同時接続はそれをかき消すほどの便利さ!同時接続したいという場面は限られるかもしれませんが、この機能は僕にハマりました。
7. 内蔵マイクの性能
これは明らかにNCH700の勝利です。4つのマイクで正確に音声を認識するという謳い文句ですが、確かに非常にクリアに音声を拾ってくれます。実際に試してみましたが、周りに騒音がある状態でも、しっかりと音声を拾ってくれます。これだけよければ、電話通話するときも、わざわざヘッドホンを外す必要はありませんね。
一方WH-1000XM3のマイク性能は、あまりいいとは言えません。静かな場所での電話通話は問題なくても、環境音の多い屋外では相手が聞きづらいですね。
【内蔵マイクの性能】勝者:NCH700
マイク性能はNCH700の圧勝!マイク性能のアップはBOSEも注力したところらしいですが、確かに非常にキレイです。電話通話にもガンガン使えるレベルでしょう!
オールマイティーなのはNCH700、音はWH-1000XM3
はっきりいって、 コストパフォーマンスでいえばNCH700は微妙です。ノイキャンを搭載した、高性能ワイヤレスヘッドホンということを考えても、4万円を超える価格は安くありません。その点、ほぼ同じ性能のWH-1000XM3は3万円ちょっとですから、コスパ的にはWH-1000XM3のほうがいいですね。
ただ、どちらも所有している僕自身、NCH700のほうが使用頻度が高いのも事実です。iPhoneやiPad、Macといった複数のデバイスを同時に使用することが多い僕の使い方だと、同時接続できるNCH700が便利過ぎるんですよね。これは共感してもらえる方は多いんじゃないでしょうか。接続先を切り替えるたびにBluetooth設定画面に行かないといけないのは面倒です。
そのほか、NCH700は内蔵マイクが優秀で、電話通話もなんなくこなしてくれますし、ノイキャン性能もトップクラス。WH-1000XM3のノイキャン使用時に感じていた、不快な鼓膜への圧迫感も感じません。NCH700とWH-1000XM3が同じ価格であれば、迷わずNCH700を選ぶのですが、これだけ価格差があると…という感じですね。
僕が出した結論としては、
- ノイキャン使用時の圧迫感が苦手な人、音楽や動画視聴以外に電話通話する人、同時接続を活用したい人はNCH700
- 音質にこだわるなら(音楽をよく聴くなら)WH-1000XM3
これが正解でしょう!
僕としてはやっぱり同時接続できることが大きいですし、ノイキャン使用時の圧迫感を感じないところは高評価ですね。
音質に関しては好みが関わってくるところなので、一概には言えませんが、WH-1000XM3はイコライザー調整ができることもあって、音に関してはやっぱりWH-1000XM3ですね。イコライザーを調整することでパンチの聞いた低音も楽しめます。
ヘッドホンを使用する人によって、求めるものは違います。僕の場合はNCH700が合っていたわけですが、あなたにはそうではないかもしれません。ぜひこの記事を参考に、あなたに合ったヘッドホンを選んでみてください!
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